肝臓。

我々もそうですが、生態にとって様々な働きを行っている、

肝心要の臓器。

簡単に重要な働きを3つに表すと・・・

 

1.食べたものを吸収し、

  そのままでは扱えない物質を身体が利用できる形に加工したり、

  栄養を必要なときまで溜めたり。

 

2.消化酵素を作って食べ物の消化を助けたり。

 

3.有害な物質を分解したり。

 

まぁ、サラッと考えても、生きるために絶対に必要な働きをしています。

代わりは、いません!!

私はデブで酒飲みで、

肝臓を始めとした、

多くの内臓様に、

そりゃーもうブラック企業な生活をしているので、

もうすぐ手痛いしっぺ返し、

シャレにならないやーつを食らいそうですが、

ペットの皆様は、

酒のんだり、脂っこいものを暴飲暴食はしませんから、

基本的には、

飼い主様の手に委ねられています。

現状のペットフードはよほど妙なものを選ばなければ、

かなり高い水準をクリアしているものが多いです。

一般的な総合栄養食を与えて生活をしていれば、

自分の商品を売りたい一部の特殊な人

が言うような害はありません。

 

そして、肝臓は、人間でも沈黙の臓器と呼ばれていたり、

悪くなっていることをはっきりと表に出しません・・・

だんだん弱っていって、

ある限界に達した時に、

急に強い症状を出すパターンが多いです。

ん?

食欲なくなってぞ?

あれれ、急に痩せ始めたぞ?

吐き始めた、病院行こう!

この段階で、末期的な肝臓の問題が見つかる。

そんなことも珍しくありません。

特に動物は自分の健康状態を隠しますから・・・

 

一番の基本に立ち返って、

毎日の食事、

元気、

体重、

体つき、

それらの変化に早く気がつくことが、

病気の早期発見に繋がります。

 

不幸にも肝臓の病気が見つかった場合。

治療の大原則があります。

 

1.点滴

2.栄養補給

3.休息

 

もちろん原因に対する対応もしますが、

肝臓の治療の柱はこの3つになります。

肝臓は、再生する臓器です。

一部を取り除いても再生するほどにすごい臓器なんです。

そんな強い臓器でも、

細菌によって感染を起こしたり。

ウイルスによって炎症を起こしたり。

腫瘍化してしまったり。

外からのダメージを受けてしまったり。

負荷がかかりすぎて働く限界を超えてしまったり。

色んな理由でだめになってしまいます。

特に、肝臓、胆嚢、膵臓は密接に絡み合う臓器で、

これらが絡み合って、非常に複雑で重い病気になることも珍しくありません。

 

とにかく早く気がつくことです。

肝臓の働きが弱くなると、

全身的に弱ってしまい、

治療開始しても、

回復までに身体の体力が持たない・・・

そんな悲しいこともあります。

本来なら外科的に対応し無ければいけなくても、

外科ができる状態まで回復させることが出来ないことや、

ものすごいリスクが有ってもチャレンジしなければいけないことも起きます。

もし、

食欲が落ちたり、

元気が無くなる前に見つけることができれば・・・

そう思ったことは獣医師であれば何度もあります。

定期的な血液検査などで、早い段階で数値に異常が出て発見したり、

超音波やレントゲンで肝臓の変化に気がついたり、

思わぬことで発見することもあります。

血液だけ診ていてもわからないし、

超音波だけでもわからない、

一ヶ月前にはなんの異常もなかったのに、

急に悪くなることも有る。

本当に悩ませる臓器です。

病気ってそういうもんですよね、

感染症なら数日で急変することも珍しくありませんし、

完璧は存在しません。

できることは、

少しでも変だなと思ったら、

しっかりと観察して、

可能なら早い段階でかかりつけの動物病院で診療を受けて、

必要であれば検査を行うこと。

それしか無いと思います。

 

日常生活で気をつけることは、

質の高いフードを与えること、

脂っぽいおやつは避けること、

適正な運動、

ストレスの少ない環境での飼育。

こんなところに気をつけて上げてください。

 

先天的な問題が潜んでいることも忘れずに、

とにかく、早く気がついて診療を受けてください。

 

ではまた!!