そのとおりです。

パン屋はパンを売って金儲けをしています。

ラーメン屋はラーメンを売って金儲けをしています。

洋服屋は洋服を売って金儲けをしています。

獣医師は、医療を提供したりフードや薬を売ったり、様々な方法で金儲けをしています。

 

それが、なにか?

 

自らのスキルを使ってお金を稼ぐ。

なにか問題があるのでしょうか?

お医者様だってそうです。

 

ボランティア以外のすべての仕事、経済活動は、金儲けです。

資本主義社会、貨幣経済の中で生きていくためにはお金が必要です。

お金がなくても幸せになれるって言葉がありますが、

少なくとも、お金があったほうがより簡単に幸せになれます。

お金がありさえすれば幸せかと言われれば多分Noなんでしょう。

お金が余るほどあったことがまだ人生で一度もないのでわかりません。

 

動物病院だって、商売です。

人を雇い、仕事をする場所を整え、多くの道具を揃えて、技術や知識を使ってお金をいただき、

そのお金で人件費を払い、消耗品を買い、家賃やローン、光熱費を払い、

可能であれば器具を揃えて、新たな治療に挑戦していく。

金を稼げなければ、

人も雇えず、

消耗品も変えず、

機材も変えず、直せず、

続けていけません。

治療だけで来ても、

お金稼ぎが出来なければ継続できません。

 

繰り返し言っていますが、

価格の違いは価値の違いです。

安くサービスを提供するためには、

人件費を抑えたり、消耗品を安いものを使ったり、

設備を必要としない方法を取ったり、

安い価値のサービスを提供しているのです。

高いサービスを提供するときは、

人件費をしっかりと掛けたり、

消耗品を高い質のいいものを使ったり、

設備を揃えて出来ることを増やしたり、

価格が高い分、数を回さなくて済みますから丁寧に対応したり、

価値が異なるのです。

もちろん例外として、安価な価値のサービスを高い値段で売ることがあります。

需要が供給を遥かに超えている場合と、

ボッタクリと呼ばれるやり方です。

 

このご時世、ボッタクリなんて悪手も悪手です。

安売りはボッタクリを超える悪手ですけどね。

 

安売りは本当に良くないんです。

経営者的な目線だけではありません。

利用者にとっても決していいことではありません。

特に医療では。

まず、

働き手が不幸になります。

安価な仕事は数をこなさなければ収益を上げられません。

定められた時間で数をこなすためには、

一件あたりにかけられる時間は短くなります。

当然丁寧な処置や説明検査はできません、

トバした診療になります。

忙しくお金に結びつかない仕事は働いている人間を疲弊させていきます。

そして、そういう状態で提供されるサービスの質も下がります。

飼い主様や動物にとっても不幸です。

もちろん人件費も抑えます。

忙しくて疲労もするのに給与も満たされない。

不幸以外の何物でもありません。

多分、サービス残業も多いし、休みも少ないでしょう、

社会的な保証もおざなりでしょう。

そして、そんな状態で働いているスタッフが笑顔で気持ちよく働いているわけがありません。

職場環境はギスギスして、みんなイライラしてるでしょう。

口を開けば誰かへの不平不満、それを言ったり聞いたりしてると更に心が疲弊していきます・・・

最悪ですね。

使っているものの質も低いので上手くいかないでストレスが蓄積します。

100円ショップの包丁で魚をさばくと、

3000円の包丁で魚をさばくとその差に驚愕します。

日々そのストレスが貯まり続けるのです・・・

仕事が便利になったり効率化出来る道具もありません。

数をこなさなければいけないのに、

その助けとなるものが無い、というわけのわからんことになります。

そして、状態の把握などもおざなりになって数をこなすことだけを目指すので、

効いてもいない薬をずっと出されたり、

疑問の解消がきちんと行われなくなったり、

いつまでも本当の原因にたどり着けずに動物が苦しみ続ける・・・

誰も幸せになっていません。

安い。

というただ一点の称賛をうける院長の自己愛によって組織が苦しめられるパターンですね。

例外はあります。

院長が根っからの金持ちの場合です。

ある意味最強です。

超絶レア病院なので、当たった飼い主様は大ラッキーです。

院長やオーナーはお金を持っているし、動物病院で稼ぐ必要がないので、慈善事業みたいに気持ちよく仕事ができます。

飼い主様からは感謝されるし、最高ですね。羨ましいです。

 

そういう病院のそばにはどんな動物病院も勝てませんからね、

いつまでも続くことをお祈りします。

 

現在動物病院、動物医療はどんどん高度になっています。

コレは獣医師側が努力していることもそうですが、

求められることが高くなってきた。という側面もあります。

高いレベルの医療の提供のためには、

さまざまな設備も、それこそ人と同等の設備が必要になったりもします。

結果として、保険制度のある人医療に比べて、

獣医師は高い。

金儲けしているという風評へとつながる側面もあるんだろうなと思います。

仕事は金稼ぎです。

経済活動です。

そして獣医師はほぼすべてのまともな獣医師は、

動物や飼い主様の悩みや苦痛を取り除くために一生懸命頑張ります。

どうか、その大前提を頭の片隅に置きながら、

動物病院を維持するのって、

お金がかかるんですよ・・・

結構凄いこと提供しているんですよ?

ってのを知ってもらえたら嬉しいなーと思ってます。

 

結構ぶっちゃけましたが、

動物病院経営者のぼやきみたいなものでした。

ありがとうございました。

 

ではまた!!