乳腺腫瘍、

子宮蓄膿症、

前立腺肥大、

会陰ヘルニア、

生殖器腫瘍などなど、

避妊手術や去勢手術によって防げる病気が存在します。

臨床の獣医師をしていると、

そういった症例の治療をするたびに、

 

ああ・・・

避妊手術・去勢手術をしていてくれればなぁ・・・

 

と思ってしまいます。

この間Twitterでつぶやいたら多くの人に反応がありました。

 

 

先人の獣医師たちから連綿と受け継がれた思いとして、

我々獣医師は、普通の手術とは乖離した費用で

若い健康な個体への避妊手術や去勢手術を行っています。

その理由は、

メリットとデメリットを考えてメリットが大きいと考えているからです。

飼育という環境で生きていく動物にとって、

避妊手術や去勢手術を行うことは、

動物にとっても飼い主様にとってもいいことだと、私は考えており、

避妊手術や去勢手術を勧めています。

もちろん手術や麻酔に絶対安全なことなんてありません。

そういったデメリットも含めて、

悪い影響が出来る限りすくなるなるように、

術前の検査、評価をしっかりと行い、

薬剤の組み合わせを考えたり、

術式を考えたり、

技術の研鑽を行ったり、

手術中の動物の状態のモニタリング環境を整えたり、

努力をすることは忘れないようにしています。

多くの獣医師はそうだと思います。

 

よく聞かれるやらない理由として、

自然のままでー。

飼育している環境は自然なんでしょうか?

将来病気になったときも全て自然に任せるのでしょうか?

高齢になり、病気で弱ってる状態で自然のままにする・・・

若い時にその状態を避けることができたのに、

それをせず、さらに病気になっても自然のまま・・・

私はそれを良いこととは思えません。

 

かわいそうー。

痛いからとかに関しては、たしかにそうかも知れませんが、

病気で苦しむことになったり、その時に手術したりするほうが辛くなるかなと・・・

異性に関することを言えば、

本能的に種を残したい強い性衝動が起きてしまうのに、

絶対にそれを満たしてあげない状態をかわいそうとは言わないのだろうか?

とか、思ったりはします。

 

お金がー。

前述の通り、避妊去勢手術は、安価です。

獣医師の技術料を金額を考えればほとんどもらわない様な値段です。

もし、高齢になり、病気になり、救うために主義としては似たような手術をすると、

全体の治療費用は5倍くらいになるんじゃないかなと思います。

よく獣医師はお金のためにうんぬんという意見を聞きますが、

予防なんて全部、その病気にさせてから治療したほうがお金になります。

それこそ比べ物にならないくらい。

獣医師が儲かると思うなら、

獣医師になると良いと思います。

たぶん、絶望しますよ。

 

子供がほしい。

この場合は、避妊去勢するわけに行きません。

避妊去勢手術を行ったら、絶対に子供は作れませんから。

出産に関して、

しっかりと勉強をして、

子供と親の幸せをじっくり考えてそういった思いをお持ちなら理解します。

頑張ってください。

 

獣医師は、基本的に飼い主様と動物に幸せになってもらわないと、

ビジネスとして、成り立ちません。

飼い主様と動物を不幸にしてたら、

お客様がいなくなってしまいます。

飼い主様には幸せなペットライフを過ごしていただき、

動物にも幸せな動物生を過ごしてもらい、

それに適切なお手伝いをして、

お客様に選んで頂くことで、

ビジネスとしての動物病院は成り立ちます。

お金の話をするにしても、

飼い主様やペットのためにならないことをしても、

あまりメリットはありません。

こんな話をしたくないですけど、

素人にはわからない、一見いい事そうな、意味のないこと、場合によっては本当は動物を害する可能性のあることってのは存在します。

人間の美容や医療でもありますよね・・・

金の棒を当てて癌を治すと大金を請求したり、

そこらの極潤と対して変わらないものを美白化粧水とか言ってとんでもない値段で売ったり。

水素が抜けきった水素水を・・・止めときましょう。

 

基本的に、ビジネス的な面からも、獣医師は動物と飼い主様のために提案などをします。

その大前提はぜひご理解いただきたいです。

動物が好きだからってのも、もちろんあります。

学問としての医療が好きだからって人もいます。

基本的に、ドラマなんかにでる悪徳な人間はほとんどいません。

金持ちは皆穏やかで品性と知性が有るいい人ばっかりなのとおんなじです。

視聴率を取るためや本が売れるために作られた偶像のイメージに引っ張られないようにしてください。

 

色々話しましたが、信用できるかかりつけの先生としっかりお話して、

避妊手術・去勢手術をするかしないかは、

ご自身でご判断ください。

 

ではまた!!