耳は奥まっていて鼓膜とかは見えませんよね。

奥深い。

って、そういうお話ではありません。

外耳炎、

動物病院へ通院される患者、

ペットに非常に多い病気です。

お耳がかゆい、

汚れが出る、

臭う。

いろいろな症状から発見されます。

音を聞くための感覚器である耳、

音を効率良く集めるために、

耳たぶや外耳道、鼓膜、中耳、内耳と非常に入り組んだ作りをしています。

また、耳小骨や前庭器官など、神経系の繊細な作りにもなっており、

きちんと学ぶと非常に深いジャンルです。

一般的に動物医療の場合、

外耳は皮膚科領域になることが多いです。

私も皮膚科は好きなので、

以前から外耳には興味を持って、

カメラなどを利用してできるだけ視覚的な情報も飼い主様と共有できるようにしています。

たかが外耳炎、されど外耳炎、

耳がかゆい、ありふれた病気かもしれませんが、

その一つ一つと向き合って、

症状、原因、治療を考えるととてもやりがいのある分野です。

 

最近では外耳や内耳の状態を把握するのは、

内視鏡のようなもので肉眼的な情報、

それとなんといっても画像診断、

CTやMRIの有効性が謳われています。

とくに内耳にまで症状が波及している場合は、CT

さらに神経症状などが起きている場合にはMRIの必要性が議論されています。

外耳炎という症状を出す病気には腫瘍なども多く、

思ったよりも遭遇する事がある印象があります。

どんな病気でも同じです。

耳の病気も、

早期発見早期治療が大前提です。

耳の日常的なケアは、

今後も重要ですし、重要視されていくと思います。

様々な手段から、その子その子に合わせた適切な治療方法を選び、

未病状態でも適切に管理していくことは、

これからの医療において非常に重要になります。

 

例えば、

水道水で耳の中を拭いてはいけない。

人間の耳かきで犬の耳かきをしてはいけない。

猫は洗浄液を耳に入れての洗浄は原則的には禁忌で、飼い主様が行って良いような方法ではない。

綿棒をゴリゴリと耳道に当ててはいけない。

耳道洗浄は、的確な洗浄液を使わなければ、鼓膜穿孔時に大きな問題になる。

垂直耳道、水平耳道というL字構造のせいで、外から見えにくい水平耳道に耳の汚れを押し込んで外耳炎を悪化させているケースはとても多い。

基本的に、炎症の全くない症例はほとんどいない。

健康に見える外耳も、適切な方法で監視すれば、少なからずの炎症は存在しており、潜在的なリスクとなっている。

アレルギーやアトピー、免疫反応性の外耳炎は、治療しても根本的に治らないので、日常のケアで強い症状を出さないように付き合い続けなければいけない。

 

獣医師ならば常識のようなことでも知らないことが多いのではないでしょうか?

どこまでは大丈夫で、どこからは駄目、という線引は非常に難しいので、

お家で安全にできるケア以上のことは是非プロに任せていただきたいです。

そして、

こじれればこじれるほど治療は難しくなりますし、時間も費用もかかります。

おかしいなと思ったらすぐに、もしくは、定期的なチェックによって、

病気になる前に対応できるようにしていきましょう!!

 

私は、耳の奥深さを改めて学び、

この分野が好きなので、

多分来年度辺りから、

より皆様のお手伝いができるように、

様々な道具等を導入して、

この地域の耳鼻科診療に寄与できるように頑張りたいと思っています!

 

とりあえず、

座学も実際の診療も頑張って、

成長していきたいと思います!

 

ではまた!!