漫画とかドラマとかで出てくるような悪徳な獣医師。

高級車を乗り回し、

動物と向き合わず、

暴利な請求をして、

飼い主を怒鳴りつける or 表ではいい顔をして裏では・・・

こういうパターンの獣医師、まぁ医師でもこういった描かれ方することもありますが、

ありますよね。

もちろん、

こんなの、

すぐに潰れるか、

訴えられるか、

どっちにしろこの仕事を続けるのは難しいと思います。

 

でも、

中には、

上手いこと、

生き残ってしまう人もいるかもしれません。

殆どの実在獣医師は、

このようなドラマにいるような獣医師像とはかけ離れています。

儲けている人もいるかも知れませんが、

めっちゃ忙しかったり、

きちんと動物や病気と向き合って戦っているから、

患者が増えて、収益が多い。ってことはあっても、

クソヤブ悪徳獣医が左うちわ、なんてパターンは、殆どないと思います。

今の世の中、飼い主様も情報を得ることが簡単になっていますから、

すこしでもおかしいなと思ったら自ら情報収集をします。

そんななかで、

無茶を通すことは難しいと思います。

 

難しい、と申しました。

つまり、

可能だとは、同時に思います。

実現可能な現実的な方法には2つのパターンがあると思ってます。

一つは、

恐怖によって飼い主の思考を狭くさせるやり方、

病気の恐怖を煽ってもいいですし、

怒鳴りつけたり暴力で縛ってもいいです。

世の中に溢れている情報は嘘ばっかりだ、

そんな情報を信じるなんて動物に悪いと思わないのか!!

俺の言ってることだけが正しいんだ!!

正しいことを言うと他の獣医師は儲からないから、

俺だけが本当に動物の事を思ってこうやって言ってやってるんだ!

俺を信じないなんて、なんて酷い飼い主だ!!

こんな感じで、恐怖と罪悪感を利用して、

周囲から隔離させ対立さえ、

自分のところにしか居場所がないようにしていきます。

もう、そこにしか居場所がなくなったら、

俺が見捨てたら全て終わりだぞ、と脅せば、

何でも言うことの聞く信者の完成です。

乱暴に言っていますが、

別に珍しくもない、

よく使われる方法です。

 

もう一方は、

とにかく優しく寄り添います。

こんなに優しい先生なら間違ったことはするはずはない、

と言う状態にして、

そもそも疑わせない方法です。

実際に行っていることは

とんでもないことだったり、

酷くレベルの低いことであっても、

表面上の寄りそう態度や言葉で

疑いもしない。

そういう状態を作り出すんです。

ただただ飼い主様だけをターゲットにするので、

動物の健康とか、病気が治るかどうかは二の次です。

このパターンは、

時に、

本当の善意で行われたりします。

自分のできる範囲で治せないものでも、

飼い主様のためだからと囲い込むだけ囲い込んで、

何も出来ずに動物は悪化していく・・・

それでも本人は一生懸命やっているから、

良いことをしている気分になっていきます。

そして、

飼い主様からの評判はすこぶる良かったりします。

 

医療は、時に非情です。

徹底してリアリストでなければいけない一面を持っています。

私は、飼い主様にできる限りわかりやすく『話す』ことを、

生涯の命題にすると決めている、

どちらかといえば後者よりな獣医師ですが、

その分、自分がやれること、やれないことの線引きだけは間違ってはいけないと、

非情に強く思っています。

そうでなければ、

動物が不幸になるからです。

やれないことはできる限り少なくするために勉強や努力はしながら、

やらないことはきちんと決めておく。

それが一番大事だと思っています。

知識がないと、

やれることやれないことを正しく判断できませんから、

努力は続けます。

 

ほぼすべての獣医師が、

そんなステレオタイプの悪徳獣医師ではありません。

でも、

危険な人間はいるかもしれません。

私は、不幸な飼い主様、動物が増えないことを何よりも祈っております。

どうか、

思い込みで敵対することも悲しいですが、

現実を客観的に見つめることも大切だと思います。

思い当たることがあってしまった場合は、

できる限り客観的な意見をしてくれる第三者を頼りましょう。

 

獣医師との関係を無視した無責任な助言をする第三者ではなく、

冷静に事実ベースでお話してくれる人がいると、一番いいんですけどね・・・

難しいですね・・・

難しい問題なんですよ・・・

 

ではまた……