蚊によって媒介される。
蚊が運んでくる寄生虫、フィラリア。
体内に侵入したフィラリアの小虫が血流によって心臓へ移動し、
心臓で成長して血管に食いついて血管に炎症を起こして肥厚して血流を見出して
ベナケバと呼ばれる非常に強い心疾患へとつながってしまう恐ろしい病気です。
時に虫体が別の臓器に詰まってしまったりする可能性もあります。
治療的には虫を殺す薬を使ったり、
外科的に虫を身体から取り出す方法が存在します。
基本的には、病気になってから治療をすると、ダメージが残ってしまうので、
感染を成立させない、
予防
で対応するべき病気だと考えられています。
予防方法としては、蚊が運んでくる小虫、
小虫は成虫に比べると非常に弱いので、
予防薬の投与で殺すことが出来るために、
小虫を成長前に殺すことで体内で成虫にさせないという方法で予防します。
具体的な方法としては
食べる・飲む薬、皮膚に垂らす薬、注射による薬、などを使用します。
飲む薬や皮膚に垂らす薬は月に一回使用します。
注射は一度の注射で一年予防することが可能になります。
予防をきちんと行うことでほぼ完璧に発症を防げるので、
是非予防を徹底してください。
前置きが長くなりましたが、
予防する時に非常に大事になるのが、
フィラリアの場合は終了時期になります。
フィラリア予防は
蚊が完全に居なくなってから
最後の投薬をする
↑これが血液の中のフィラリアの小虫です。
とにかく、最後の投薬がめっちゃ大事です。
侵入した小虫を殺すことで予防するので、
予防薬を投与してから小虫が侵入してしまうと
次の予防開始シーズンまでに成長してしまう可能性があります。
小虫も体内に侵入して2・3ヶ月すると予防薬では殺せない可能性が出るまで成長してしまいます。
月に一度飲むことが大事で、2ヶ月ごとに飲むと危険な理由はそこです。
とにかく、最後、最後をしっかりと飲ませないと
せっかくの予防が無駄になってしまいます。
地域、環境によって異なりますので、
ぜひかかりつけの動物病院で指導された期間は
しっかりと飲んでください!
最近生活排水などによる水温上昇で蚊が変な時期にいることもあったりします。
厳密には外気温との関連性でフィラリア感染は左右されるんですが、
あまり議論を細分化してもぼやけてわかりやすくなるので、
かかりつけの動物病院の獣医師の言うことを信頼してください。
ん? って思ったら是非質問してみたり、
それで納得がいかなければセカンドオピニオンとか、
とにかく動物をしっかり見てくれている
眼の前の獣医師の言葉に耳を傾けてください。
古来より獣医師の金儲けとか非難される予防薬ですが、
そもそも論として金を稼ぐことの何が悪いのか? って話もありますが、
不当に騙してお金を巻き上げているわけでもないのに、
なぜ頑なに非難されるのか理解できないのですが、
予防をすれば、病気にしなくてすみます。
病気になったら、予防とは比べ物にならないほどの費用がかかります。
そして、何よりいちばん大事なことは、
病気になったら、苦しむのは動物です。
特に、フィラリア症はゆっくり進行して、
突然急激に悪化するタイプの病気で、
気がついたときには手遅れになっているような悲しい事もあります。
予防でそういう悲しい事態を防げるなら、
防いだほうがいいと、私は考えています。
予防をせずに病気にさせて動物に苦しい思いをさせてから治療して高い治療費を払う!
と、覚悟されているなら、もう掛ける言葉はありません。
繰り返しますが、予防しなくていいとか適当な情報を流している輩は、
最も大切な視点。苦しむのは動物であるという視点が欠落しています。
非科学的な陰謀論に絡め取られた妄想がほとんどです。
貴方の大切な動物を守るためにも、
防げる病気は防いであげましょう。
どんな病気でも、悪化して重くなる前に、
できる限り早く発見して、早く治療する。
そのほうが動物が苦しむ時間も短くなり、
軽い治療で済むために費用も抑えられる。
早期発見早期治療。
私はそれが一番いいと思います。
もちろん、動物のことなので、
なかなか難しいことも多いです。
かかりつけの動物病院と良好な関係を作って、
なんでも相談できる獣医師を見つけておくことは
ペットとの幸せな生活にとって物凄くいい影響を与えてくれます。
あまりにも忙しすぎる獣医師がなかなかそこをカバーできない場合は、
動物看護師さんにもご相談ください。
動物病院のスタッフは飼い主様とペットの健康と幸せのために頑張っています。
なんか、企業病院のキャッチコピーみたいなことを言い出しました。
僕はそう思っていますけどね。
寒くなってきましたが、
ペットも飼い主様も、そして動物に携わるスタッフの皆様の健康を祈っております。
フィラリア予防は最後が大事!!
ではまた!!