暖かいお風呂から上がって、脱衣所に出ると、脱衣所がキンッキンに冷えてやがるぅ!!

うっ、胸が苦しくなる……

 

人間の高齢者や循環器に問題がある人に起こるヒートショックの一例です。

このように、暖かい場所に置かれていた状態から、急激に寒い場所へ移動すると、拡張していた体表の血管が急激に収縮して、心臓や循環器に高負担をかける。

それが、ヒートショックです。

もっと細かく説明すると、温められて末梢の血管が広がった状態は、身体の血液の流れる場所が広くなりますから、低血圧になります。

そして、寒い場所で末梢血管が縮こまると、血液の流れる場所が狭くなるので、高血圧になります。

循環器疾患を持っている動物にとって、もっとも負担になるのは血圧の急激な変動です。

 

循環器疾患、ようは心臓が悪い動物さんの治療の多くは、降圧剤です。

血圧を落とすお薬を飲んでいます。

末梢の血管を広げることによって血圧を下げてあげて、心臓が頑張って血液を全身に送り出す負担を下げてあげます。

血圧が低ければ、心臓から送り出す圧も低くてもいいから、心臓が頑張らないで良いということです。

なので、心臓のお薬は一度飲み始めたら、一生涯飲まなければいけません。

一度楽にしてあげた状態から薬を止めると、急に高血圧状態になったのと同じことが起きます。

すると、心臓には薬を飲み始めるよりも強い負担がかかることになって、以前よりも悪化してしまう恐れがあります。

心臓病の薬が一度始めるとやめられない理由は色々ありますが、その一つをわかりやすくお話するとそんな感じになります。

 

なんにせよ、血圧の急激な変動を起こす、寒暖差のある状態を作らないことが、心臓病を持つ動物にとって何よりも大事です。

そして、基本的に寒さというものは身体を高血圧方向に持っていきますので避けたほうが無難です。

元気で問題のない子なら良いですが、心臓病を持っている動物さんがこの時期に散歩に行く場合は気をつけてあげてくださいね。

 

ではまた!