よく、
〇〇学会参加のため休診とさせていただきます。
とかあるじゃないですか、
最近はオンラインで開催されることも多くなりましたが、
学会とか勉強会って、何してるんだろう?
病院を閉めてまで行くべきものなの?
そう思われる方も多いかと思われます。
そこで今回のブログでは、
学会や勉強会ではどんな事をやっているのかをお話したいと思います。
色々と思うことは在ると思いますが、
よく言われるのは、
診療を行うことは、向き合う患者を助けるが、
勉強をして、技術を習得すれば、受け持つ患者を助ける。
ってことですね。
我々が、勉強したり技術を鍛える目的は、
自分がこれから出会う未来の全ての患者のためになるという一面を持つからです。
学会発表をやったりすると、もっとスケールは大きくなります。
その発表を聞いた多くの獣医師がこれから未来で出会う患者のためになります。
私が学会で発表等をされる先生に尊敬と畏敬の念を持つのは、
未来の多くの患者を救っているからです。
勉強したり努力をする先生が好きなのは、
自分と向き合う未来の患者のために頑張っているからです。
大きな意味合いでお話すれば、
通常の診療を休んで、学会や、勉強会へと行く大義名分は、
こういった点にあります。
だったら、書籍などによる勉強でも良いんじゃないか?
そういう疑問が生まれます。
書籍による学び、素晴らしいです!
私は、本を読むことが好きです。
一番好きなのは漫画ですが、
ラノベから小説まで何でも読みます。
収集癖も相まって、学術書もそれなりに持っています。
書籍から学ぶこともとても素晴らしいと思っています。
では、なぜ会場に行って学ぼうとするか、
それは、先人の先生方から、書籍などでは知ることの出来ない、
生の声を聞けるから。
時に、生々しい話を聞けるから、です。
たとえば手術の手技方法は書籍に乗っていますが、
その手術を行う際に起きやすいヒューマンエラーや、
例外的に起きうる問題とその対応方法、
ぶっちゃけ、どのレベルの人間なら手を出すべきかなどの、
書籍に載せにくい話は、その場に行って、
食事や時にお酒などを交えながらでしか聞くことが出来ません。
これは、本当に貴重です。
次に、人と人の縁。
動物病院業界は、比較的狭い世界なので、知り合い同士をつなげると、
結構つながっていたりします。
しかし、
日常診療で自分の病院に引きこもってばかりいると、
人のつながりが出来ません。
今現在最前線で活躍している人々のナマの情報を知るような、
縁を結ぶことができるのも、私は非常に大事だと思っています。
自分が困った時に、この症例なら確実にこの人になら任せて大丈夫、そう思える縁を多く持っていることは、
一般開業医としては大事になってきます。
人間関係のつながりを作るのは面倒くさいとナウいヤングは思うかもしれませんが、
人間、困った時に、最後に助けてくれるのは人の縁です。
できる限り、良縁を結んでおくと良いです。
最近の学会はインターネット配信が多くなりました。
大変便利です。
移動しなくていいし、空き時間に自由に見られる。
いつでもどこでも何度でも見られます。
・・・これね、毒なんですよ。
いつでもどこでも何度でも見られるものを、
必死に見られます?
集中して見られますか?
私は、無理です。
できる限りすぐにアウトプットして身体に定着させようとしますが、
どうしてもインプットが甘くなります。
ちょっとブラウザで他のところを見ながら休憩したり。
そもそも集中して聞いていなかったり、、、
私が未熟なだけですが、私は会場で話しての先生の前でお話を聞くという緊張感が必要な人間です。
最後は、スピリチュアルな話ですが・・・
最前線で、学会の場で発表をされているような先生。
それと、学会を作って素晴らしい情報を広めて動物医療を発展させていこうとしていく人々。
こういった方々は、とってもエネルギッシュなんです。
明るい、温かい、時に熱いパワーを持っています。
人間は、自分の周りにいる人によって染まりがちです。
外に出ずに、今いる場所で足踏みしているような状態に自分を納めていると、
そういう人間になっていくんです。
特に私のような一人院長の場合は、
自分の病院という巣穴に引きこもっているとこういう状態に陥ります。
今の診療を回せているならそれでいいじゃないか、
それなりに診療はできるし、複雑なことは大きな病院に任せるから、
【もう、今以上に努力する必要はないよね】
悪魔の声が、身体を押さえつけてくるのです。
これ、怖いんですよ、
身体に刻み込まれてしまうと、
あとは、その事を正当化するために行動、思考するようになっていきます。
勉強したり、努力している人間を馬鹿にするようになったり、
新しい方法や、過去の方法が間違っていたというような情報に、
今までそれでやっていたから、変える必要がない。とか訳のわからない思考になります。
そして、その思考が間違っていることが、
自分自身で気がつけなくなっていきます。
私は、どうしようもなくそれが怖いです。
知っていて、自らの手に余る症例を、できる場所に任せるのは、いいんです。
でも、知らないから、他人に投げるのは、嫌なんです。
このこだわりは、私だけかもしれませんけど、
現在自分がどんな場所にいるかは、
外から見ないと気がつけません。
すごい人や、すごい道具を自分の目で見ることによって、
外からの目線を手に入れて、
自分を正しく評価して、
自分にできることは一生懸命やる。
自分の手に余るラインの線引を間違えないようにする。
そういう意味でも、学会や勉強会は大切だとお思っています。
井の中の蛙大海を知らず。
ダニングクルーガー君にならないように、これからも頑張っていきます。
腰を傷めましたが、明日明後日は学んでまいります。
コロナ対策はばっちりして頑張りたいと思います!!
ではまた!!