今日は血液検査について話していこうと思います。

また、大きな風呂敷を広げましたが、簡単に概要を理解していただくことが目的なので内容的にはわかりやすく話すことを第一目標としています。

すでにある程度理解している人にはすっげー薄っぺらい話に感じますので、時間の無駄になります。

 

血液検査は大変優れたスクリーニング検査であり、治療効果を評価することにも有効なとてもいい検査です。

スクリーニング検査とは何かと言うと、幅広い病気の中からふるいわけを行って病気の原因を探る検査です。

異なった原因から同じ様な症状を出すことは珍しくもなく、その病気一つ一つに焦点を合わせて検査をすると膨大な検査が必要になります。

これを最初にいくつかの病気に絞るために用いるのがスクリーニング検査です。

そして、血液検査のいいところは、病気を絞り込んだ後にも病気の評価に使うことが出来ます。

肝臓や腎臓に異常な値が出て、その原因を更に詳しく調べて解決し、治療して、その効果がどのくらい出ているのかを血液検査でチェックすることが出来るということですね。

ただ、一般的に血液検査で異常値が出る時は病気が進行していることが多いです。

さらに、平均値的な正常値は存在しますがその子の正常値が本当にその値なのか? という疑問点は残ります。

だから動物病院では健康なときの血液検査をお勧めしたりするんです。お金儲けのためではない! と言い切りはしませんが、そんなものはどうでも良くて、その子自身の正常値を知ること、そして、数値の経過を時間軸で追っていくことでその子の体に起きていることを推測して、病気という形に結実する以前にアプローチして病気にさせないように関わっていきたいから、少なくとも自分はそう考えて血液検査を健康な時に行うことの意義を見出しています。ここが、今回のブログでお伝えしたい一番のことですね。

 

血液検査のもう一つの面は、病気を絞った後の細かな評価もできる。という面を持っています。

ホルモン検査などはその代表的な例になります。

一般的な健康診断で異常が出ないことが多いのが内分泌疾患、ホルモン異常といえばわかりやすいですかね。

症状からそういった病気を疑ったときにはピンポイントでホルモン計測を行ったりします。

特殊検査で外部検査なのでやや高額になってしまいます。

でもそこをきちんと抑えないと、なかなか治らない病気を作り出してしまいます。

免疫関連性疾患にも役立つことが多いです。有名なのはリウマチですかね。

これもある種の免疫検査を行うことで診断が付きます。

ウイルス疾患や感染症の抗原、抗体検査も行えます。皆さんが一番良く行っているのがフィラリア検査ですね。

フィラリア予防されていますか? 絶対にしましょうね、その時一緒に健康診断で血液を通常時に経時的に見ることを強くお勧めします。

血液を培養して細菌などを特定したりすることも行えます。

幅広くからピンポイントまで、血液検査は得られる情報量が多いですね。

 

もう一点は血液自体の形状や数を知ることで診断の手助けにもななります。

赤血球はどんな形でどれくらいの量があるのか?

白血球の数はどれくらいか? どの種類がどの程度いるのか? 異常な形の白血球はいないか?

血小板はあるのか? 多すぎない? 少なすぎない?

たくさんの情報が詰まっています。

一応当院の設備アピールをすると、当院の血液検査機器はかなり力を入れているので、その場で結構な情報を得ることが出来ます。

迅速な診断と病気の早期発見のためにきちんと設備投資をしています(露骨なアピールです)

 

このように血液検査は非常に有益な検査になります。

健康な時に異常な値がなくてよかったね。だけではなく、その先のことまで考えた定期的な健康診断としての血液検査を皆さんやっていきませんか?

もちろん病気の評価で数値が下がってきてくれるのは嬉しいのですが、元気になってからもしっかりとモニタリングをして、数値が戻る兆候を早く確かめることで、体調不良になる前のアプローチを可能にします。

なかなかここまでお話することは診察の時間の中では難しいので、こういったブログという形で飼い主の皆様に血液検査の意義を知ってもらえるのはとてもありがたいです。

お金儲けのためじゃない、本当に真面目にペットのための健康診断。これからも頑張っていきます。

 

もしここでなにかいい情報を手に入れたら、是非ペット仲間に教えてあげてください。

いい情報は撒き散らかしましょう! ただし、それが正しいかはきちんと精査なさってください。宜しくおねがいします。