今回、タイトルはとっても固いタイトルですが、中身はふわんとしています。

正直、未来なんてどうなるかわからないですからね。

それでも、今現在の働き方改革によってどのようなことが動物病院業界に起きているのかをお話します。

同業者からバッシングが来そうなことも書きそうな気がしますが、きっと大丈夫。ちゃんと読んでくれればわかってくれるはず。

 

そもそも働き方改革って何よ? って話ですよね。

難しいことはご自身で調べて貰えればいいと思いますが、かんたんに説明します。

1.労働時間を厳格に守りましょう(労働時間上限・有給休暇消化など)

2.賃金を適正に払いましょう(時間外労働料金の厳格化・最低賃金の遵守など)

3.同一労働同一賃金にしましょう(正規・非正規間の賃金格差の是正など)

特に動物病院に関係する3つの点を紹介します。

 

どうですか、この3点をみて皆さんどう感じました?

僕はこう思いました。

当たり前のこと、っていうか守ってないとやばくね!? でした。

たぶん皆さんもそうですよね。

ところが、ちょっと考えてください。

貴方のペットを見てくださる動物病院の診療時間・・・、これ、守れてないんじゃない・・・? って病院多くないですか?

具体的な話をします。

例えば以前の当院の一週間の診療時間です。

月・火・木・金は10:00~13:00 16:00~20:00

土・日・祝は10:00~13:00 16:00~19:00

でした。

13:00~16:00は診療受付をしていないですが、中では検査したり手術したりシャンプーしたりトリミングしたりしているので、休み時間ではありません。

10:00から病院を開けるためには9:30には業務開始しています。

20:00にしめても20:30までは閉院作業をしています。

つまり・・・

9:30~20:30(19:30)は労働拘束時間、休憩は1時間取りますから、平日は10時間、土日祝日は9時間労働になります。

うちは完全週休二日制なので、平日2日休んだとしましょう。

10*3+9*2=48時間

一月4週としたら月で48*4=192時間となります。

これ、現状だと違反になるギリッギリからアウト気味です。

現在は8*5*4=160時間が基本、それ以上は残業です。

一月に32時間の残業をしていることになります。つまり年で384時間です。

限度時間(1カ月45時間 、1年360時間)を超えていますね。

もちろん36協定という抜け道はありますが・・・これ、しんどいですよね。

コレ以外にも動物病院は時間通りに終われる方が珍しいですからね・・・

なのでうちは平日も19時までにしました。

コレによって一月の規定残業は20時間まで抑えられて余裕が出来ました。

多分世の中でもこういった動きが進んでいくと思います。

ウチラはほとんどが中小企業なので2020年4月1日から違反していると罰則を受けます。

今まで当たり前のように開いていた動物病院の診療時間が短くなる。

これは近い未来に起こる現実です。

そうでなければ人を2交代制とかにして多く雇えば診療時間を維持できますが、コストは跳ね上がりますね。

 

次に賃金です。

先程の話と絡みますが、残業代をちゃんと払いましょう。という当たり前のことが厳正に守らなければいけなくなります。

最低賃金も厳格に守らないといけません。

この間話しましたが、最低賃金はどんどん上がっています。

経済成長が停滞しているのに最低賃金が上がっている今の現状は非常に危険が危ないのですが、それは今回置いておきます。

例えば千葉、895円です。計算しやすいので900円にします。

900*8*5*4+900*1.25*1*5*4=166,500円

これが診療時間10時間の病院の最低月額です。

朝8:00~19:00までやっている病院はもっと最低でも払わないといけません。

当院の看護師の初任給はみなし残業込みで200,000円です。

そりゃそうですよね、動物看護師という命に関わる重労働を最低賃金で行うのは嫌だ。そう新社会人は考えるわけです。

もちろん完全週休二日制、厚生年金、社会保険、雇用保険、交通費、有給休暇、賞与、昇給は当たり前にあります。

当たり前ですよね。

でもね、動物病院業界は当たり前じゃなかったんです。

もちろん今はこのアタリマエのことが出来ていないと、人が来ません。

本当に来ません。全く来ません。

もう時代は変わったのです。

もしも、この当たり前のことをやっていないとどうなるでしょう?

昨日まで円満(だと思ってた)に働いていたスタッフの代理人を名乗る弁護士が笑顔で病院に現れて、数百万のお土産を持って変える。そんな社会に変わっていくのです。

ほんの少し前の動物病院の求人、12万とか高いところで16万って世界でした。

コレが、今はこうなっています。

以前からいたスタッフの給料も、新人に合わせて調整しなければいけません。

5年働いた看護師さんが、新人よりも給与が低い。そんな状況で貴方だったら働きますか?

働かないですよね、なので、全員のベースアップをしなければいけないのです。

もうわかりますよね、人件費が恐ろしい程上昇するんです。

その結果何が起きるか、適正価格にしなければ動物病院を維持できません。

(もちろんボッ○○○なら話は別ですよ、ふひひ・・・)

つまり、動物病院の料金は上昇します。

消費税もあがりますからね・・・

 

3番目の同一労働同一賃金は、関係のある病院とない病院がありますね。

これから社会は実力主義になります。

長く勤めれば賃金が上がる時代は終わりましたし、最後まで雇用が持続する時代も終演を迎えました。

誰が望んだのか知りませんが、完全実力主義で労働の安定性は消失しました。

実力のある人は高給で引く手あまたに仕事を選ぶことが出来て、実力のない人は低賃金でいつでもクビになる。そんな社会が近づいてきています。

これ、ある意味世間の声を反映しているんですが、ずっと疑問でした。

みなさん自信があるんだなー・・・って。

これからさらにAIなどの台頭によって単純作業やデータ管理系の仕事はあっという間にAIに変わられて人間は必要なくなります。

人間でしか出来ない仕事ができる実力のある人しか仕事がない時代になっていくのは止められないと思います。

個人的にはきつい単純作業をAIにやらせて人間が楽できればいいじゃん。と思ってますが、時代の変化は大きそうですよね。

動物病院業界では、AIによって一部の仕事は楽になるでしょうね。

でも、飼い主様と患者との間の意思疎通を正確に取るのはAIには困難でしょうから、まだまだ人間の力がいる分野だと思っています。

患者である動物の個体差が大きいですし、補綴一つにしたってかなりの精度の臨機応変さが求められますし、ファジーさが大きな職種ですからね。

AIに仕事が移行する仕事は、AIを開発して整備するコストが人間を使うよりも有利な物に限られますから、きっとそこまで早い変化は起きないというのが私の予想です。

未来を不安に思ってもどうなるかなんてわからないので楽しみにしていたほうが生産的だと思います!

 

相変わらず何を書きたいのかわからなくなりましたが、これから動物病院に起きる変化は・・・

診療時間の短縮

診療料金の値上がり

仕事の効率化と専門化による細分化

このあたりは必須の変化だと思います。

動物病院側だけじゃなくて、飼い主様もこのあたりは幅広く知ろうとしたほうがいいと思います。

本当に、ものすごい変化が起きています。知らないと対策できません。皆で頑張って学んで楽しい人生を送っていきましょう!