自分がこの病院に設備などを導入する判断基準は、出来ないことを少しづつ減らしていきたい。という考え方になっています。

町の動物病院というのは人間に置き換えてみると、総合病院のような仕事をする必要があります。

外耳炎や皮膚炎などの皮膚科、下痢や嘔吐などの消化器科、くしゃみ、鼻水、咳や肺炎などの呼吸器科、心臓病から来る咳なら循環器科、膀胱炎や腎不全などの泌尿器科、避妊手術や帝王切開などの産婦人科、関節炎や骨折などの整形外科、神経症状や癲癇などの神経科、ほんとになんでも診ます。

しかも、犬も猫も、場所によってはハムスター、フェレット、うさぎに小鳥、亀にトカゲに蛇、もっと広げれば馬、牛、豚などなど・・・

犬や猫と一言に言っても、犬種猫種によっては別の動物と言って良いんじゃないか? ってほど差があります。

これら全ての病気を完全に対応することは困難を極めます。

もちろん知識的なこと、技術的なこともありますが、道具的なこともあります。

医療機器は・・・めっちゃくそ高いんです。

しかも、ほとんど元を取れません・・・

まーた金の話かよ、と思われるかもしれませんが、繰り返しますがお金は動物病院を続けていく上で非常に大事です。

診られる病気を増やすために借金して設備を整えていく、そして動物の健康を支える仕事を頑張って、借金を返して、設備を維持して、スタッフの生活と自分の生活を支えていく。

コレが動物病院という仕事の中身です。

それがないとどうやってもある病気の診断が出来ない。という設備って本当に高いんですよね。

なんかおもちゃみたいな鉛筆みたいなものが70万とか普通にしますからね。

CTとかは数千万、最近は小型化進んでますけど、まだまだ手が届く範囲にはないですね・・・

脱線しました。

当院でも少しづつ設備を増やしてできる限りの検査を院内でできるようにしていきたいと思っていますが、正直不可能なこともたくさんあります。

たとえば、CT・MRIは無理です。物理的に病院に入りません。

白内障の手術などのための顕微鏡もオペ室に入りません。

やっぱりそういった特殊な設備は大きな病院や専門病院に頼らざるを得ません。

以前にもいいましたが一年に一症例しか来ない病気の技術を磨くことは非常に難しいです。

個人的には各地方に中核病院が存在して、そこに難解・特殊な症例は集めて治療して、獣医師の教育なんかをすることが将来的にはいいと思うんですよね。

もっと各病院が横のつながりをもって地域医療を支えていく、人間の医療体制と似た構造にしていくのがいいんじゃないかなぁ・・・って思ってます。

獣医師ってなんでも自分のところでなんとかしようって意識が強いので、結果として組織全体がオーバーワークになって疲弊していくんですよね。

だんだんと各病院が特徴を持って診療をする流れになってきていますが、あまり極端にそっちの方向に右へ倣えだと、飼い主様的にはこの病気だったらあそこ、この病気になったらあっちと大変になってしまうかもしれませんね。

なので町の動物病院はある程度総合医的な診断能力が必要とされます。

そのために無ければ検査を出来ない項目をできる限り減らしていくための設備投資。を実行しています。

たとえ短期的に見ればずーーーと支払いだけしている機械でも、その病気が来たとこにあってよかったねって言えるために笑顔で支払うのです(建前

早まったー! ってこともすげー多いです(本音

そういう時は、今ある設備で満足してできることだけをしていればいいじゃん。って声が頭の中に響きます。

ついつい挑戦しちゃうんですよね・・・

ほんとに経営者としては失格です・・・

でも、未来のあってよかったのためにもこれからも頑張ります!

地域の病院の先生とも積極的に仲良くなってお互いの足りないところを補ってみんなで動物の健康を守るという草の根活動を新しい病院同士で作っていったりもしています。

獣医師が飼い主の敵ではないように、病院が違えども獣医師同士は敵ではなく、病気に苦しむ動物を減らしたい同志、仲間として一緒に頑張れる。そんな社会に成ることを目指しています。

最近の若い先生はダイバーシティ、多様性に対する理解がありますので、多分こういった取り組みがほんとに浸透しやすいと思っているので、楽しみです。

勉強されている先輩方も社会の変化に気がついてこういった運動を応援してくれます。

 

この続きは言わなくていいですよね・・・

 

全然関係ないんですけど、世界中で最もYoutubeに低評価ボタンを押す国って日本なんですって。

わざわざ自分の嫌なものを見に行って低評価ボタンを押してマイナスコメントを書く、世界一の種族なんですって。

 

変えたいっすね。

なんでも承認していける社会にしたいですね。

みんな笑顔で生きていきたいですもんね。

とりあえず、自分から笑顔で生きていきましょう!

それではまたー!