参考にさせていただいたのはアニコムさんの家庭どうぶつ白書になります。
アニコムさんは日本最大級の保険会社で、保険請求件数の多い疾患をデータとして発表してくれています。
それなりの精度があるのではないかと思いますので、その上位3疾患、わんこ、にゃんこそれぞれの疾患の簡単な説明と、気がつく徴候についてお話したいと思います!
まずはランキング形式で・・・
わんこがなりやすい疾患
第一位 皮膚疾患(外耳含む)
第二位 消化器疾患
第三位 関節疾患
にゃんこがなりやすい疾患
第一位 消化器疾患
第二位 泌尿器疾患
第三位 皮膚疾患(外耳含む)
個人的には少し意外でした。
循環器疾患がわんこに入るかな?って思いました。
保険請求件数だから、通院回数が多い、若くてもかかる。ということでこんなランキングになったのかな?と推測です。
それでも外来でも日常的によく診る疾患なので大きく間違ってはいないと思います。
それでは一つ一つ話していきましょう。
わんこの三位から参ります。
関節疾患。
広いな・・・
一般的には運動器の障害全体を指しますので、軽い捻挫から骨折や脱臼のような重症例まであります。
なんといっても跛行、足や手を痛がることで気がつくことが多いのではないでしょうか?
腰や首が痛いと、全身的な疼痛サイン、耳を伏せて震えていたり、動こうとしたらキャンっと鳴いたり、食欲が落ちたり活動性が落ちたりすることがあります。
病気が一部分に限定するならその箇所をかばうような仕草になります。
各疾患の説明はあまりに膨大になるのでここではしませんが、軽度であっても3日ぐらいしても全く状態が変わらなかったり、全身的な徴候があったら動物病院へGoですね。
レントゲンが有効なことが多いですが、筋肉や腱、神経的な問題の場合診断が複雑になったり、場合によってはCTやMRIなどの高度検査も必要になります。
時には整形外科専門医と協力して治療に当たることも多いです。
また、外科手術などが必要な場合もあって、その場合は一般的に高額な治療が必要になります。
つづいて第二位。
消化器疾患。
またも広い・・・
代表的な症状は、嘔吐下痢、食欲不振、腹痛。などになりますかね・・・
お腹がギュルギュル鳴るなどの消化管の運動が亢進したりします。
本当に日常的によく出会います。
一番多い原因は消化器内の微生物バランスの崩れ。寄生虫。
食べ慣れないものを食べた。気圧変動。アレルギー、なんかですかね。
もちろん特殊な炎症性腸症や腫瘍性の問題、ウイルス疾患なども存在しており、便検査や時に全身的な検査によって原因を探ります。
気がつく症状は、やはり、下痢や嘔吐、腹痛による元気消失、背中を丸めて震えていたりなどが見られます。
単純な胃腸疾患なら整腸治療に反応してくれますが、食事を見直したり、治りが悪ければ全身的な検査が必要になります。
下痢の場合は是非、便を動物病院へお持ちください。新鮮なやつを。
軟便よりも水下痢、水下痢よりも血便のほうが怖いので、早めに動物病院へ行きましょう。
嘔吐が続く場合はより注意が必要で、食事が取れない上に、体から体液が出ていってしまうので状況として悪い方向に進みやすいです。
元気があっても2日以上続いたり、元気がない場合は動物病院へ。
犬に唐揚げみたいな油ものをあげると膵炎で殺すので、絶対にあげてはいけません。
個人的にはジャーキーは消化器弱い子にはあげないほうが良いと思っています。特に脂っぽいジャーキーは・・・
そして第一位。
皮膚疾患(外耳炎含む)
これは個人的には納得します。うちが皮膚疾患が多めだからですけど・・・
外耳炎がほんとに日常的になるからってのもありますね。
耳のケアはソレだけで一本ブログかけるのでまた書きます。
しかし、広い!
気がつくサインとしては、体を掻く、フケが多い、皮膚が赤い、耳が汚い、なんか臭う、脱毛が多い、剥げてきた。
ここらへんで気がつくことが多い気がします。
原因は大きく分けると感染か、アレルギー、稀に腫瘍ですかね。
一番多いのはばい菌や外部寄生虫による感染。
これは原因に対処しながら内服、外用を上手く使えば回復は比較的早いです。
疥癬やニキビダニを見落とさないように治療反応をしっかりと見ながら治療してい行きます。
アレルギーはその個体個体で千差万別、どんな理由でどんな治療が良いのか、丁寧に状況を把握しながら選んでいきます。
皮膚の腫瘍は厄介な物が多いので、丁寧な観察と治療方法の選択、そして飼い主様への説明に時間と精神を割く感じです。
治療してその反応を見て診断や次の手を考えることが多く、治療が長期化することも少なくないので、飼い主様も腰を据えて治療に付き合う必要があります。
さらっと説明するって難しいですね。
とりあえず、ワンちゃんだけでもこの量になったので、ネコちゃんは次回のブログで書かせていただきます。
とにかく、変だなと思ったらかかりつけの動物病院とよくお話をしましょう!
それではまた!