本日は問題行動の一つ、分離不安についてお話したいと思います。

じつは一番話したいことは最後の方にあります。

先に読んでもらってもいいです。

 

飼い主様が家を出ると・・・ペットがおかしくなってしまったように泣き叫び、帰ってきたら家の中はメチャクチャ、おしっこやうんちがそこらへんにされて動物自身も震えて異常・・・

飼い主様が帰ってくると、ある程度は普通の行動を取っている。

こんな深刻な状態になってしまうこともあります。

 

基本的には愛情を注いでくれる飼い主様と離れることで不安が爆発して問題行動を取ってしまう。

人に依存するワンちゃんのほうが多いです、猫さんはどちらかというと場所に依存するので起きにくいです。

男の子のほうがなりやすいと言われています。ダメですね男って・・・

 

原因はいくつか考えられています。

小さい頃から家族が必ず居て愛情をたっぷりと注いでもらって、一人での留守番に慣れていない場合。

一番可愛がってくれる飼い主様が、就職や転職で突然生活が変化してしまったりした場合。

家にいる時、特に外出してからの帰宅したときなんかに、めっちゃくちゃ愛しまくって溺愛してしまう場合。

動物が一人で留守番している時にものすごく怖い事が起きた場合。

動物が高齢になって、いろいろな制御ができなくなってきた場合。

なんかが言われております。

 

症状は様々です。

破壊行動、吠える、トイレ以外での排泄、過剰な興奮、震え、吐く、下痢、食欲不振、ダラダラと唾液を出す、皮膚とかをめっちゃ舐める、などなどがあります。

飼い主さんが出かけようとする素振りを見せるとこれらの行動が始まり始めます。

飼い主さんの足回りをぴったりとくっついて離れない、ケージに入れようとすれば噛んできたり唸ったり攻撃してきます。

これらの行動は分離不安以外でも起きるので、診断は難しいです。

カメラなんかを仕掛けて飼い主様が居なくなった後の行動を監視したり、診察室から人を少しづつ減らしていってソレを撮影したりして徴候を診る形になります。

 

問題行動の治療は、大変です。

薬飲んでハイ終わり、ではありません。

むしろ薬以外の治療、しかも飼い主様による根気強い治療が必要です。

その症例症例に合わせて獣医師、飼い主、動物がしっかりとやっていく必要があります。

基本的には、留守番という行動と不安を結び付けないようにしていく治療になります。

補助的にはサプリメントや投薬による治療も併用されていきます。

ほんとに症例ごとに異なるので、ぜひぜひうちの子もそうかも・・・って思った飼い主様には動物病院で相談していただきたいです。

特に、長期間に渡って留守番と不安が結びついてしまうと、非常に治療が難しくなってしまいます。

出来る限り早い段階で治療に入って行動療法を取り入れていくことが大事です。

そもそも、問題になる場合、飼い主様がお忙しかったりして、長期間の治療が実施することが難しかったりして、本当に頭を悩まされることもあります。

 

なので、出来る予防方法を知っていただき、分離不安にさせにくくすることが大事だと思います。

これからが今回のブログで一番伝えたかったことです。

留守番に小さい頃から慣らすことです。

ちょこちょこ家を空けてすぐに戻ってみる。

家を出るときも帰ってくるときも特別なことはしないで当たり前のような態度を取る。

いっぱい遊んであげて、普段の欲求を満たしてあげる。

特に小さな子を迎えた時に、過剰に直接的な愛情を短期間に注ぎすぎないことをおすすめします。

場合によっては、もう一匹犬を飼うというのも究極的な方法かもしれません。

そんなに大変なことではないと思うので、是非知っておいてください。

できれば穏やかなペットとの暮らしを手に入れてほしいですからね。

 

さて、今回は分離不安についてお話しました。

もし、ペットにこういった徴候が見られたら、出来る限り早い段階でかかりつけの動物病院にご相談ください。

しつけの先生にご相談いただくのもありだと思います。

放置すると悪化しますし、どんどん治せなくなってしまうので、早期発見早期治療でお願いします。

 

ではまた!