台風が過ぎ去り、多くの爪痕を残していきました。
こういった天災が起きると、人間の無力さを思い知らされます。
ペットを飼われている方々は、こういった災害時、避難所にペットを同伴できるか日常に確認していくと良いと思います。
正直、避難するから預かって欲しいとペットホテルに預けられる方もいらっしゃると思いますが、状況は一緒です。
浸水したり被災したら避難するしかありません。
院長だってスタッフだって電車が止まってしまえば職場へいけません、もちろん重篤な症例が入院していれば私は泊まりますが、スタッフを危険に晒すことは出来ません。
泊まりますけど、何か起きてもなんにも出来ないんですよね。
浸水したら、あー・・・終わったぁ・・・って思うしかありませんし、風が吹き込んだらケージを抱えて真ん中の方の部屋で震えているしか出来ません。
停電になれば何もできなくなります。
町の動物のお医者さんの限界を強く感じます。
巨大で堅牢な建物を持ち、大きな規模の獣医師や看護師を有する病院ではありませんからね・・・
私はそういった方向を目指したいと思わないので、こういった場合は割り切るしかありませんね。
避難所の確認は繰り返しになりますが地方自治体に事前に聴いておくと良いなとほんとに思いました。
すでに台風によって強風が吹き荒れる中、ペットと一緒に避難するのはあまりにも危険です。
事前にわかる台風なら出来るなら風が吹き荒れる前に移動するのが大事ですね。
地震などの突然襲ってくる天災の後も、迷うこと無く避難所を目指すことができれば精神的にも安定すると思います。
いざ災害が起きてから、どこにいけばいいの!? と不安になることがないように事前に調べておきましょう。
人の安全を保つのも難しい中でペットの安全を確保することは非常に困難になります。
避難する際に用意しておくものを日常から準備しておくことが肝要です。
5日ぐらい乗り切れるフードとお水、排泄周りの準備、外傷などに簡単に対応できる医療品(人用を流用)、足元が危険な場合が多いので移動できるキャリー、そして過ごすためのキャリーなど。
日常的にキャリーで過ごすことを苦としないしつけも大事になります。
よく言われるのが、食事をキャリーの中で食べさせる方法ですね。
キャリーの中が楽しい場所に変わります。
人の医療品と書きましたが、外傷は基本的には水で洗浄してくっつかないガーゼなどを当てて包帯で巻くくらいしか難しいです。
消毒はしっかりと洗浄すれば必要ありません。
イソジンとかなら薄めて利用できますが、出来る範囲でできることをしましょう。
現在は行政もペットに対する理解が広くなっており、様々な取り組みを行っている場所が多いです。
ただ、異常事態である災害時、人間の精神状態も不安に包まれていればペットの精神状態も不安に包まれます。
台風などの後にそういったストレスなどから来る体調不良を多く診察しています。
特に多いのが下痢や嘔吐などの胃腸疾患。
なんだか元気がない、食欲が無いといったはっきりしない大量不良。
もともと持病を持っている子が悪化する、特に癲癇などの神経疾患や、心臓病の症状は注意が必要です。
人間でも低気圧で体調壊す方がいらっしゃるように、どうぶつでもおなじようなことが起きます。
基本的には対症療法を行いながら、心の平穏を取り戻していくことが治療になります。
ペットのボスは飼い主様です。
お辛いかもしれませんが、空元気と作り笑顔でペットに笑いかけてあげてください。
無償の愛がお互いの心を癒やしてくれると思います。
甚大な被害の出た今回の天災。
一刻も早い日常の復帰と、被害に合われた方の無事と復興を心の底から願います。