抗生物質・輸液・消炎鎮痛薬。

 

に、なるのでしょうかね?

抗生物質は細菌に対して作用する薬で感染症などの恐ろしい病気と戦ってくれる強い味方です。

最近、細菌が多数の抗生物質に耐性、簡単に言えば抗生物質が効かない細菌が最近増えています。

この背景には、不適切な抗生物質の使用や、長年に渡る抗生物質の暴露の歴史が存在していると言われています。

抗生物質はあくまで細菌に対して用いるものなので、ウイルス性疾患に用いたり、必要のない症例に用いらないようにする重要性が訴えられています。

皮膚疾患などで二次感染で症状が悪化するタイプだと、長期に渡って抗生物質を投与するケースなども存在するので、症例ごとにきちんと評価をしながら診療治療するように心がけております。

 

輸液は皮下や静脈に直接水分を補充する方法で、脱水状態に有る動物を回復させたり、水和と呼ばれる水分が豊富にある状態を作りたいときなどに選択される治療です。

例えば下痢や嘔吐などによって体内の水分や電解質が失われた場合、輸液を調整してそれらの失ったものを補う目的で治療します。

人間もそうですが、風邪を引いたり、外部からの敵と戦う場合は体温を上げたりしますが、水を多く体が必要とします。

そういった時には水和と呼ばれる状態を作り出すために点滴という治療を行います。

ただ、心臓病など持病がある場合、過度な水和は心臓の負担になってしまうために、計画的な治療が必要となったりします。

また、水を入れるという行動は血液を薄めることになるために、貧血時は輸血などの方法と組み合わせて治療する必要があったりと、とても頭を使う治療です。

診察室で簡単に行われるように見える皮下点滴もその子の状態を判断して適切に調剤された点滴を入れているので、結構頭を使っています。

 

消炎鎮痛剤は、炎症に対して作用してくれるお薬です。

炎症は体に炎症反応を起こして痛みやいろいろな不快感につながる反応が出てしまいます。

炎症部位では体の様々な機能を利用して外傷や病気と戦ってくれているので、必要なことなんですが、動物自身にとっては辛いことなので、炎症を治める方向に治療していくために使います。

色々なシステムに対して作用する薬をその動物の全身状態に合わせて選択していく必要があって頭を悩ませます。

 

こうやって文章にしてみると、毎日色々なことに頭を使って働いている割には、体を動かしているなぁ・・・って思います。

動物にふれるという行動は無条件に心が落ち着くような気がするので、毎日動物に触れることが出来て、体を動かして、頭をフル稼働するこの仕事は、ボケる暇がなさそうです。

現代の日本人は90歳まで働かないといけないらしいので、頑張ります。

子どもたちがおとなになった頃には・・・どうなってることやら・・・

 

ではまた!