今回は獣医師ブログらしく、きちんとペットとの生活で大事な情報を広めたいと思います。

ペットの関わる仕事をしていれば、当たり前、でも、常識ではない、知らない人は知らない、でも知らなければ危険につながる可能性のある。文章は酷い文になりましたが、そんな情報をお伝えいたします!

 

1.爪切り

2.毛玉

3.肛門腺

 

以前にも毎日のケアでオススメのチェックリストに入っていましたが、ここを注意しないと何が起こるのかを深堀りしたいと思います。

爪切り。

小さい頃から慣らしてあげれば、ご家庭でも行うことが可能です。

受け入れてくれるのなら、こういった電動のヤスリタイプのものを持っておくと楽にきれいに仕上げることができます。

ハサミタイプやギロチンタイプもありますが、最近は家でやるならコレが一番安全じゃないかなぁと思ってきています。

テクノロジーの進化ですね。

慣れてくれないと怖がると思うので、そこは個体差が出るかも知れません。

猫ちゃんは爪が裂けるのとやらかいので使いにくいってのもあります。

難しいならペットショップやトリミングショップ、動物病院で切ってもらいましょう。

爪が伸びすぎると、カツカツと歩く時に音がなって動物はうまく歩けなくなってしまいます。

変な爪の伸び方をすると歩き方がおかしくなり、特定の関節に負担をかけて関節炎の原因になってしまうかも知れません。

長い爪が思わぬところに引っかかって抜けたり、折れたりすれば動物は痛いですし、出血もして痛々しいです。

適切な処置をすれば大事に至ることは少ないですが、猫さんなどがカーテンに引っかかって、ガッチリ引っかかって大暴れして骨折するなんて事故もあります。

また、伸びすぎた爪が自分自身の体に突き刺さってしまうこともあります。

狼爪と呼ばれる人間でいうと親指に当たる場所に生えている爪は、歩行の際に地面で削られないためにグルンと巻いて伸びて刺さってしまうことがあります。

一部の猫さん、スコティッシュさんなどに多いのですが、爪が分厚くて肉球に沿って伸びてしまうために爪切りが難しく、そのままにしておくと肉球に突き刺さる生え方をする子が居ます。

ご家庭でもハサミタイプの爪切りでうまくやれば切れますが、難しい場合はプロに定期的に切ってもらいましょう。

 

次に毛玉、ブラッシングを定期的に行って毛玉を作らないケアをお願いしたいのですが、毛玉が出来るとどうなるかお話します。

特定の場所を動物自身が気にして毛玉を作ることがあります。

例えば外耳炎が有る時に耳の後ろや下に毛玉を作ったり、

お腹の皮膚が痒くて舐めるせいでお腹に毛玉ができたりです。

動きがある場所で擦れて静電気などによって毛が絡み合って出来る場所もあります。

脇の下、後ろ足の前方、内方などがそれに当たります。

犬種や猫種によって、また毛質によって毛玉ができやすい、できにくいは決まります。

怪我細く長い猫さんは要注意です。

毛玉ができてハサミなどで切ろうとして皮膚を切る、コレは日常的に遭遇する外傷です。

猫の皮膚は薄く伸びやすいので思わぬ場所に皮膚が伸びていて一緒に切ってしまいます。

プロがバリカンでやってもたまに起きてしまうほど猫の皮膚は難しいのです。

毛玉が皮膚を引っ張り上げているのを丁寧に観察しながら慎重に行えば防げなくもないのですが・・・動くんですよ・・・

そして、毛玉自体が強く皮膚を引っ張り続けていると、皮膚には炎症が起きます。

フエルトみたいに毛玉が一枚の板のように皮膚にへばりついているその下はぐじゅぐじゅに皮膚が溶けてしまっているなんてこともあります。

こうなったら長い時間をかけて皮膚の再生を待つしか無いので、非常に大変です。

毛玉は少しでも出来たら早めに対処すれば櫛やスリッカーでほぐせます。

見つけたらすぐに対処する。コレが何より大事です。

毛玉を放置すればそこに毛が絡んでどんどん広がります。

また、シャンプーの前は必ず毛玉を全て処置してから行いましょう。濡れた毛玉は強固になりますし、湿って細菌の巣になります。お気をつけください。

 

最後は肛門腺です。

肛門腺は文字通り肛門のそばにある分泌物、臭いのですが、を出す袋なのですが、たまりすぎると・・・破裂します。

肛門の近くに穴が空いて出血します・・・

怖いですよね。

普通は排便時などに一緒に出ることが多いです。

あとは驚いて力が入ったときなどにビュッと出てしまってクッサイ匂いをさせたりします。

スカンクなどのアレと似たようなものですね。

ただ、分泌物の性状が千差万別で、中には硬い子やザラザラとした砂みたいなものが混ざる子が居て、それが導管と呼ばれる管を詰まらせてしまって排出できなくなってしまうことがあります。

その結果、たまりすぎた分泌物が行き場をなくして、肛門腺を破裂させてしまいます。

ワンちゃんでも猫ちゃんでも起きます。

ワンちゃんの場合はお尻を地面にこすりつけるような動作をしていたら危険です。

猫ちゃんはお尻を気にしてクンクンしてたりベロベロなめたりします。この舐めるという動作も危険で、猫さんのザラザラとした舌で皮膚を削ってしまいます。

定期的に肛門腺を触るようにして、溜まっていたら優しく絞ってあげる。お風呂場がおすすめです。

うまく絞れなければプロに頼みましょう。

穴が空いていたらすぐに動物病院へ行きましょう!

 

長くなりましたが、日常簡単に監視ができる場所なので、ぜひ見てあげてください!

 

ではまた!