動物は、自分の症状を正確にこちらに伝えてはくれません。
もちろん行動が変化したり、様子がおかしかったり、症状として外に情報を出しますが・・・
本能的にそれらの症状を隠す傾向があります。
野生において、自らが弱っていることを外に発信することは命取りになるからでしょう。
そうなると、正確な動物の状況を把握することは、非常に難しくなります。
そういった状態を、客観的に評価できるのが、各種検査になります。
血液検査などの生化学的検査、レントゲンや超音波、ときにはCT,MRIなどを用いた画像検査。
様々な検査を組み合わせて、我々獣医師は動物の診療を行っています。
もちろん、視診、聴診、触診などは大事です。
そこで異常に気がつけることもあります。
しかし、時代の変化とともに、ある程度裏付けをデータとして残しておかないと、医療従事者は守られません・・・
今の社会として、医療従事者は慎重に自分たちの身を守らなければいけなくなってしまっています・・・
その結果、ある程度客観的なデータを元に治療をしていく必要が産まれます。
「先生、元気がないから注射してや」
「先生、調子悪いからいつもの薬ちょうだい」
少し昔に当たり前のようにあった光景は、もう時代にそぐわなくなってしまっています。
もちろん、保身のために検査をしているつもりは医療従事者にはありません。
テクノロジーの進化によって手に入れた武器で、病気を分析理解して、もっとも効率の良い治療を考えて病気と戦い、苦しんでいる患者を救う。
その一心で検査をして、検査を読んで、日々の治療に反映させています。
私個人としては、治療方針が変化しない検査はできる限りなくして、確実に抑えたい項目に絞って検査を行って、飼い主さまの負担を減らしたいと考えていますが、
医療において、本当の意味で過剰な検査、過剰診療って存在するのかな? って悩んだりもします。
わかるんですけどね、過剰診療って存在は、でも、命を守るために、出来得る限りのことをしてあげるっていうのは、どこまでいっても過剰って物は無いんじゃないか? って悩んだりします。
もちろん、バランス感覚をもって診療しますけど、きっと、ずっと悩みながら、頭を使いながら、バランスの取れる場所は探し続けると思います。
皆様は、是非、かかりつけの獣医師とよく相談して、検査の意義や意味なんかを勉強してみてください。
獣医師は、動物の健康と、飼い主様の笑顔のために、日々頑張っております!
情報化社会になって、たくさんの情報が溢れているのも、いい面も悪い面もあります。
一般化できない特殊な例を、センセーショナルに書き立てるブログなんかをみて、誤解していきなり豹変する飼い主・・・
とんでも医療にすっかり毒され、製薬メーカーの手先と罵倒する人・・・
狂犬病利権とやらを主張して獣医師を叩く、浅慮な人・・・
変な人、増えましたね。
頭の柔軟性を欠くと、碌な事になりません。
自分の立ち位置を極端な場所に置くと、碌な事になりません。
自分は絶対的に正しい、正義なんて言葉を持ち出したりすると、碌な事になりません。
自らを客観的に見ること。
色々な情報源からの情報をバイアスをかけずに分析して理解すること。
自分は間違っているかもと疑い、間違っていたら素直に頭を下げられる覚悟を持つこと。
矛盾しているようですが、自分の中で譲れない一線を持つこと。
これらのことを日々心がけておくだけで、自分自身の成長は止まることはないと考えています。
逆に、これらが出来なくなった時に、停滞が始まるんだろうなぁ・・・
世の中がどんどんと変化している今の時代。
変化ってはっきり言って怖いです。
でも、同じくらいドキドキ・ワクワクします。
変化を楽しんで生きていきましょう!
何の話だ・・・
途中から歪みましたね。
気をつけます。
ではまた!