お話シリーズで続けていますが、今回は治療方法についてのお話。

動物病院で病気を見つけて、いざ治療となると、いろいろな方法があります。

 

1.入院して点滴や注射でしっかりと治療

2.通院で点滴・注射による治療

3.投薬・外用薬による治療

 

雑にお話すると、このパターンになると思います。

 

入院しての治療は重症な患者や、静脈からの投薬を行いたい場合はこの方式になります。

入院室でスタッフや獣医師による監視下で治療反応を評価でき、治療強度も一番高い治療が行なえます。

基本的には昼間に濃厚な治療を行って、夜間は静かに休んでもらう形ですが、症例によっては夜間も監視しながら治療を継続していきます。

何よりも治療を受けられる時間が長いために、選択肢も多くなりますし、状況を逐一把握できるので、適切な治療方向の変更が可能です。

デメリットは高額になるってことですが、病気を治すことに対してこれをデメリットと言う言葉で表現するのは個人的には違和感を感じます。

 

通院での注射治療は治療強度としては次点ですが、水和と呼ばれる点滴治療は、多くの病気と動物が戦う手助けになることも多く、投薬だけの治療よりも回復が早い傾向があります。

投薬が難しい嘔吐などの治療や、体液喪失を疑う激しい下痢などは積極的に取り入れたほうが良いでしょう。

腎臓や肝臓などの疾患の場合も水和、点滴治療は有効なので、入院ができない場合はしばらくの間通院で注射による治療を受けると回復が早くなります。

 

最期に投薬による治療。

大前提として、症状が軽い場合に選ばれます。

もしくは治療がある程度うまくいったコントロール期に選ばれる方法だと思います。

大事なことは投薬指示を守ること、治療反応が悪い時は必ず相談することですね。

動物の場合、軽症にみえて実は重症であることも珍しくなく、場合によってはいろいろな検査を行わなければいけないこともあります。

治療に対する反応をみてから初期検査の必要性を考えることも少なくないので、良くならないのに、無理して投薬を続けて悪化させる前に相談しましょう。

相談した上で、追加検査や、注射による通院治療・場合によっては入院になることもあります。

自己判断は絶対にしないでください。

投薬を途中でやめないでください。

 

基本的には獣医師が病気を診断し、メリットデメリットを考慮の上で治療方法を提案するので、それにそって選択してもらうのが一番だと思っています。

薬が飲めない場合、薬を飲んで吐くなどの異常な行動が出てしまった場合、状況が良くならず、悪化している場合などは、直ぐに相談しましょう。

診察室で一度、薬の説明をしている時に一度、お帰りの時に一度お話するようにしているのですが、なぜか飼い主様は相談してくれないことが多いので、もう一度言います。

 

投薬治療中、疑問点は直ぐに獣医師に相談しましょう!

 

吐いちゃったから薬を飲ませていないから状態が変わらない→実際には悪化している、と、一週間後に再診するのは本当に止めてください。

 

個人的には、費用面で検査や治療を絞って治療すると、トータルでのコストは上がる傾向があるかなと思ってます。

頑張って最初からしっかりと診て、しっかりと治療したほうが、病気からの回復も早いのでコストも低下すると思います。

動物を飼育していれば、病気になったりすることもあります。

備えて出来る限りいい選択肢を選べる状態を作っておきましょう。

 

ではまた!