いやー・・・経済にとっては悪いことばっかり続きますね。
動物病院って人の医療に比べるとビジネスなんですけど、人の病院と同じように清廉潔白を求められがちです。
とてもよくわかるし理解できるんですけど、やはり存続していくためにはビジネス的な面は無視できません。
特に自由診療、各病院で自由に価格設定ができる動物病院では経営者の裁量次第です。
では、私は何をもとに価格を設定しているか・・・
それは、提供しているサービスの価値に見合った値段にするということです。
需要と供給という話があります。
価格設定は需要と供給のグラフが重なる地点が最適、そんなイメージです。
需要が高く、供給が低いものは高くなり。
需要が低く、供給が高いものは安くなる。
基本的な価格への考え型はこの原則に従っていました。
まぁ、物質的な物の値段はこの原則が適応されるかも知れませんが、
人が間に介在する技術や知識を売りにするサービスだと、商品の質が単純には表現できません。
例えば注射、注射の針やシリンジ、使用する薬剤の原価が固定コスト、そして獣医師が注射することに技術料が発生します。
小さな目線だとそういうことになります。
しかし、実際にはすべての診療に診療を行う場所を用意するコスト、運用するスタッフのコスト、光熱費やその他固定費、様々な要因を価格設定には考えなければいけません。
さらには目に見えない部分、接客サービスなども価値に加わってきます。
よく原価でなんでも話す人がいますが、本当に本当に本当に愚かだなぁとしか言えません。
それを踏まえて、安いと高いの意味を考えていきます。
安いというのは単純にコストを抑えることでしか作れません。
家賃を安くする、箱物に金をかけない、道具などへの設備投資をしない、人件費をかけない、安くする、使用するものを安いものにする、とにかく数を多く出す。
安いものを売って利益を出すのは薄利多売になります。
当然回転を良くして数をこなすしかありません。
結果として丁寧な仕事が難しくなり、労働量が増加し、労働者は疲弊します。
高いというのは、まず最初に二通り存在していると思っています。
価値がないのに高い。
価値があるから高い。
前者は、まあぼったくりですよね。
あんまりその話をしても仕方がないので、今日は話しません。
価値があるから高い。
その価値は何か、箱物を立派にする。
小物や空間にきちんと配慮してコストをかける。
道具などへの設備投資を行う。
人件費をしっかりとかける。給与をしっかりと払う。
使用するもののコストをかけて高品質なものを使用する。
数に拘らない。
高単価商品は数が出なくても利益を出せます。
結果として一つ一つのサービスに時間をかけて丁寧に当たれます。
無理な労働がないので余裕がうまれ、より良いサービスにつながります。
労働者自身にも充実感が生まれます。
もちろん高ければそれがいいとは言いません。
私が言いたいのは高いのには高い理由が、安いのには安い理由がある。と言うことが言いたいのです。
今、社会には物が溢れています。
精神的な満足度は置いておいて、物質的には満たされている社会と言っていいと思います。
もちろん求めればきりがありませんが、100円でおにぎりが誰でも手に入ります。
最近夜のスーパーにかみさんと行くのが好きなんですが、お弁当が半額で売られていたり、お刺身が半額で売られています。
これ、すごいことだと思います。
仕事も細かく働きやすくなって、ただ生きていくだけなら、なんとでもなる。
娯楽もスマホで様々なサービスと繋がれます。
少し昔に比べれば、娯楽が手もとに溢れていると言ってもいい状態です。
でも、あんまり満たされていると感じている人はいないんじゃないかなと思います。
少なくとも、事実がどうあれ、この日本はそう思っている人が多いんじゃないかなと思います。
心が満たされないと幸せと感じなくなっている。
人々のステージが上がったんだと思います。
良く聞く話だと思いますが、戦後は食事も満足に取れませんでした。
だから人々は食べることが幸せでした。
食べることができるようになると、洗濯機やテレビ、冷蔵庫などの物があると幸せに感じました。
物が当たり前のようにあるようになるとパソコンやインターネット、そしてSNS。
多くのものと繋がったり、自分を承認されることが幸せになってきました。
そして、それに慣れてくると、承認するだけではなく、自分自身を実現させることを求めてきているんだと思います。
自己実現。
自分の理想を実現させる。
かなり欲求としては高いレベルのことを求めるようになっているんです。
そうなると、低コストなサービスを受けていることに満足がいかなくなってきます。
高いレベルのサービスを受けている自分を実現していることに価値を見出す人が増えてくるんだと思います。
そこに需要があれば、供給する。
高単価だけど、高いレベルのサービスを提供する。
そう言った物が求められる土壌ができているんだと思います。
あ、例外はバブルですよ。あれは例外。高いこと自体が価値になっていた異常な時代です。
閑話休題。
これからは多様性の時代になっていくと思います。
安いところも高いところもそれぞれがそれぞれを求める顧客を相手に生きていけばいい。
そう言う時代になると思います。
顧客側が自由にサービスを選べる時代です。
自分自身に合ったサービスを探していきましょう。
できれば価格と見合ったサービスを提供してくれる場所に出会えることを祈っています。
また、話がぶれた・・・
一番言いたかったのは安いのには安い理由が、高いのには高い理由がある。
自分の価値観だけで価格を見ないほうがいいですよ。
自由に選びましょう。
って話でした。
ではまた!