今回のブログは、動物の生死についての話が含まれています。

あくまで私自身の考えと死生観です。

正義や正解の話をしていないことを始めにお断りしておきます。

 

我々が獣医師として仕事を行っていると、時に残酷とも言えることを飼い主様に告げなければいけないことがあります。

 

この子の病気は、治せません。

この子は助からないかもしれません。

この子は亡くなっています。

 

もちろん言う側も辛いですが、聞き手はもっと辛いと思います。

しかし、大事なことなので、我々は不快に思われるとわかっていることでもお話します。

それが獣医師の責任だと思っているからです。

 

その上で、この子に対して何ができるのかを提示して選択していただく事になります。

どんな病気でもなんでも思いどおりになることなんてありません、最初の予想以上に病状が重いことなんていくらでもあります。

幾つかの要素が複合して、最適な治療が出来ないことなんていくらでもあります。

獣医師はもちろん動物を治療して元気にするために100%力を振るいます。

ある意味、獣医師は飼い主様よりも動物に元気になってほしいです。

心情的にもそうですし、それが仕事だと思われていると理解しているからです。

少し嫌らしい書き方になってしまいましたが、獣医師は神ではありません。

どんな病気であろうが怪我であろうが治せる、そんな存在ではありません。

やるべきことをしっかりと行なったにも関わらず、残念ながら動物が亡くなってしまうこともどうしてもあります。

獣医師が何を言おうがどんなにきちんとやっていたかを説明しても、結果として動物が亡くなってしまえば、納得できない方も多くいらっしゃいます。

仕方がないと思います。

大切な家族が亡くなって、すぐに全てを正しく理解しろなんていいません。

ただ、我々も人間です。

こちらの言い分を全て無視して人格否定のようなことをされれば傷つきます。

感情だけで罵られれば、こちらも傷つきます。

 

獣医師は間違いなく動物を助けるために仕事をしています。

動物に幸せになってくれるために仕事をしています。

お金のために仕事をしている人も、その目的のために動物に元気になってほしいと思っています。

最近、その大前提が抜けて責められることが増えているような気がします。

私自身の話ではないです、世の中の流れ何だと思います。

哀しいですね。

何事も人間と人間の間の出来事なのに、まるでものか何かを相手にするような物言いをする人が・・・増えている気がします。

 

相手も人間なんだ。

 

そう思うだけで、少し世界は良くなると思います。

 

少し心が弱くなっている時、自分は見る動画があります。

 

Hope invites | Tsutomu Uematsu | TEDxSapporo

 

今の世の中、閉塞感と悲しさが広がっています。

飲まれないようにしましょう。

 

ではまた!