みんな違って、みんないいとかそういう話ではなくて。

治療も含めて、いろんな生活指導とか、そういったものは、その動物、飼い主様、病気、環境.etc.

様々なことの影響を受けており、みんな違うんだ。ってことを言いたいのです。

人と違って良いんだよ。って話でもあります。

たとえばヴェルダンディズムヒゲちゃんという誰でもウェルカムで人懐っこくて愛想のいいワンちゃんと、

ヴァルサスヴェルフェウスちゃんという神経質で人嫌いで動物嫌いなワンちゃんだと、

同じ病気でも治療方法が変わることがあるよってことです。

 

なんか、わかりにくいですね。

もっとわかりやすく言えば、入院できないこと、入院ができる子で治療は変わりますよ。ってことですね。

それに加えて、出来ない治療方法をやるか、やらないかを迷うのは無駄です。って話です。

 

なにをやってもどうやっても薬が飲めない猫さんに、どうやって薬を飲ませるのかって悩むより、

薬以外の治療方法を探したほうが良いですよね?

毎回毎回トラウマになるほど大暴れしてアワブクになって逃げ回る治療を続けることは、難しいですよね。

ならば、他の治療方法を模索したほうがお互いのためですよね。

入院するとご飯も食べないし、怯えてお世話もままならない子を治療するのに、入院させない方法を考えたほうが良いよねって話です。

もちろん、受けられる治療に差は出ます。

すっごく大事なことは、別に悪いことだと言っているわけではないです。

どんなことでも一生懸命動物のことを考えて選んだ治療方法は尊重されるべきです。

ただ、あまりに治療を施すことがゴールになってしまっていると、みんなが不幸になることが有ると思っています。

人によっては諦めていると受け取られてしまうかもしれませんが、私は、なんでも最高の治療が正しいとは思っていません。

私が目指しているのは最良の治療です。

様々な要因を考えて、みんなが不幸にならずに病気と戦える方法を考える。それが私のスタンスです。

 

治療しないことを選んで、残された時間を受け入れる選択も、よく考えての選択であれば尊重します。

もちろん、譲れない一線はあります。

あまりにも身勝手な見捨てるような選択には異議を唱えます。

しかし、飼い主様の人生を犠牲にして動物につぎ込むことは、幸せなのだろうか? って考え方を持っています。

動物の苦痛を我慢させて治療を行うことは、しっかりと考える必要がある。って考え方を持っています。

わかってもらえるとは思っていますが、手術とかは苦痛だろ、手術とかを否定するのか!? とか、そんな低レベルな話はしていません。

動物、飼い主、環境、病気、様々な要因を考えて、選べる選択肢の中からきちんと皆が幸せになれる方法を探す労力をケチってはいけないと思っています。

教科書にかいてある正しい治療方法を押し付けたり、血液検査の数字だけを追って入院させておく、そういった思考停止には陥らないように気をつけています。

もちろん治療のエビデンスも非常に重要視しています。

でも、大前提として、目の前の一つの動物に対して関心を持って、頭をフル回転させる苦労は端折らないように心がけています。

そのために、話が長くなることもありますが、そういうことをやっている時に、生きた仕事をしているなと感じます。

 

飼い主様も、是非動物と向き合って、獣医師と話し合ってください。

始めから疑ったりせずに、まずは話し合ってみましょう。

不安な気持ちは素直に言ってください。

でも、動物に興味を持って向き合ってください。

決めるのは、飼い主様なんですから・・・

 

ではまた!