ひさしぶりに、マダニがびっしりついた動物を撫でました。

叫びだしそうになります。

私は虫が苦手です。

しかし、仕事中は冷静なふりをしなければいけません。

すぐに考えるのは、ヤバい・・・ってことです。

さて、何がヤバいんでしょうか?

このワンちゃんが移動した場所には、マダニが落ちている可能性があるからです。

つまり、診察室、待合室にマダニが解き放たれている可能性があります。

 

すぐにマダニ予防を行い、明日の来院を指示します。

それから、病院内の大掃除です。

ちっちゃい黒い粒、全てがマダニかもしれない。

 

撫でただけでゴロゴロゴロゴロゴロゴロ・・・っとマダニが触れました。

思い出しながら書いて、手が震えて鳥肌が立ちます。

あのゴロゴロに加えて、ちーさなマダニが大量にいます。

もう、地獄です。

 

そして、何より恐ろしい事実は・・・

 

そのマダニに噛まれたら、

自分やスタッフが、

 

死ぬかもしれない。

 

ってことです。

マダニが媒介する

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTSは2011年に中国の研究者らによって発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルスによるダニ媒介性感染症である。2013年1月に国内で海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが初めて報告され、それ以降他にもSFTS患者が確認されるようになった。SFTSウイルス(SFTSV)に感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などを起こす。検査所見上は白血球減少、血小 板減少、AST・ALT・LDHの血清逸脱酵素の上昇が多くの症例で認められ、血清フェリチンの上昇や骨髄での血球貪食像も認められることがある。致死率は6.3〜30%と報告されている。感染経路はマダニ(フタトゲチマダニなど)を介したものが中心だが、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されている。治療は対症的な方法しかなく、有効な薬剤やワクチンはない。

MIID国立感染症研究所HPより抜粋

 

まだ、関西でしか発症はしていません。

しかし、全然安心できません。

今の時代、日本国内いくらでも移動できる可能性はあります。

すでに鹿などの血液をしらべると、SFTSの抗体を持っている個体は、全国にいるそうです。

このウイルスは、人間と猫に強い症状を出します。

外猫が弱っていて保護して、その猫に噛まれて発症した例もあります。

その方は、亡くなりました。

動物病院のスタッフが治療やお世話で噛まれて発症した例もあります。

感染した猫さんからもうつります。

もちろんマダニに噛まれても発症します。

そして、最悪は死亡です。

 

みなさん、お願いします。

ノミとマダニの予防をちゃんとしてください。

ペットショップで売られている忌避剤は効きません。

かかりつけの動物病院でしっかりとノミ・ダニの予防薬を使って予防してください。

お願いします。

飼い主様自身の安全のため、そして、愛するペットを守るため、そして、周りの人を守るため、

どうか予防をお願いします。

 

ではまた!