動物の体の中を、動物を傷つけることなく見てみたい・・・
そんな時に役に立つのが超音波。
それ以外にはレントゲン、CT、MRIがありますが、今回は超音波に着目します!
超音波検査
すっごく高い周波数を放射して、反射してくる波を解析して画像を出す凄いやつ。
コウモリとかイルカがエコーを出して視力の代わりにしているのと同じ様に、お腹の中にエコーを放って内部構造を解析しています。
水分量の多い軟部組織と呼ばれる腹腔内、心臓なんかには非常に有益です。
一方、硬い組織や空気が苦手なので、骨とか肺は苦手です。
でも、使い方とか見方を知っていると、関節疾患や、肺の評価にも使えます。
レントゲンを取るのも危ない呼吸状態の動物に一瞬超音波を当てて肺水腫を予想したり、
お腹の中に出血している可能性とかを把握できたり、
FAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma)外傷のための超音波検査による集中評価
迅速に危険性を把握する検査的な感じです。
落下や交通事故、心不全のときには本当に頼りになるやつです。
心臓・肝臓・膵臓・脾臓・胃・腎臓・副腎・膀胱・小腸・十二指腸・大腸・各種リンパ節・甲状腺・一部中枢神経・生殖器などなど、
様々な臓器の構造を見ることができます。
組織的変化、つまり顕微鏡で見なければわからないような変化はわかりません。
そして、見れる範囲が狭いので、完全な腸管の精査などは時間がかかりすぎるか、少し難しいので、見落としが起きる可能性があります。
そして、検査する人間の技術が検査結果に大きく反映してしまう面もあります。
あくまでも、検査方法の一つとして、複合的に見ることが大事です。
超音波さえ見ておけば良しと言うことではありません。
得手不得手をしっかりと理解して、いろいろな検査を組み合わせてしっかりと判断することが大事です。
さっと見る時はぽんと当てても良いですが、
正しい判断を行う場合は、きちんと定められた体位でしっかりとした検査が必要になり、
あるていどお時間が必要なので、お預かりさせていただいてしっかりと見ることもあります。
一部の病気をバシッと診断がつくことも有るので、本当に有能な検査であることは間違いありません。
一瞬を切り取るのではなく、時間軸で動きをおえるので、本当に心臓の評価においてはなくてはならない奴なんです。
動物に対する侵襲、ダメージもありません。
目玉に当てることもできます。
ちょっと動いちゃうとだめなので、軽く押さえさせてもらいますが、
動物にとっても優しい検査。
頼れるやつなんです。
超音波検査、これからもよろしくね。
ではまた!