今回は、あえてタブーを犯します。
咳をしている時は、一度動物病院で診てもらいましょう。
それをいっちゃあ始まらないので言わないと言いましたが、嘘です。
呼吸器に関わることは、すぐに命に直結する可能性があります。
軽ければ、よかった心配しすぎだったね、と思えるように、
ペットが咳をしたら、一度動物病院で診てもらってください。
動物病院にかかる時は、
どんなタイミングで咳をするのか、
どんな咳をするのか、
咳をする前後の様子、
咳をしていないときの呼吸の状態などを把握してもらえるとありがたいです。
動画などで咳の状態を把握できるとなお嬉しいです。
咳の原因は色々ありますが、
乱暴に分けると、
呼吸器が原因の咳と、
それ以外が原因の咳になります。
そして、どちらであっても重症の場合は命に関わる可能性があります。
重症度としては、人間でも、少し喉がいがらっぽくて出るような咳から、
結核や肺がん、重度の心臓病から肺水腫を引き起こして出る咳まで、
様々な段階が有ると思います。
動物でも同じです。
そして、人間と異なるのは、症状を隠すことです。
本当は呼吸が苦しいのに平気なふりをしたりします。
自然環境で、自分が弱っていることを外に出してしまうと、
自分が狙われるかもしれないから、と言われています。
実際に状態がどうなのかを把握するのが難しいことも多く、
咳が増えたなぁ、って思ってるくらいから突然状態が急変したりすることもありえます。
サインとしては、食事量や体重減少、安静時の呼吸回数の増加、呼吸の仕方の変化になります。
各変化を細かく知らなくてもいいので、
いつもと違う
ってことに気がつけるように、
日々のふれあいを持ってあげてください。
恐ろしい咳の中で、出会う可能性があるのは肺腫瘍、肺炎、肺水腫かなと思います。
肺の外科的な処置はCTを持つような大きな病院で行うことが理想的です。
通常の暮らしで注意が必要なのは吸入性の肺炎ですね。
部屋の中でスプレー状の物を使ったりして、それをペットが吸い込んで致命的な肺炎を起こす。
そんな怖いことは起こしたくないので、室内ではスプレー状の物は使わない、ペットを遠ざける、換気を良くしてください。
防水スプレーによる肺炎などは、いくつも報告があるので気をつけてください。
最近は新型コロナウイルスのせいで呼吸器の症状が有名になりました。
地上にいるのに溺れているような状態。
肺水腫はまさにそういった病気です。
原因は主に心臓、循環器が原因となります。
全身に血液を送るポンプである心臓が弱ることで、
上手く血液を流すことが出来ず、
逆流なども合わさって、過剰な血液(水)が肺に溜まってしまう。
早急に肺の治療をしつつ、原因となる心臓治療を行わなければいけません。
そして、一般的に心臓の治療は生涯、途中で止めることは出来ません。
悪化する心臓を良くするのではなく、
今ある状態を楽にして長く働いてもらう環境を作る治療になるので、
出来る限り早く発見して、早く楽な環境にしてあげることが大事です。
そういった意味でも、特に高齢ペットさんの咳は、動物病院に見せてあげてください。
咳は、深刻な病気のサインである可能性があります。
どうか、一度動物病院で診てもらってください。
ではまた!