この事実、忘れる人が多いです。

どんな病気だろうが、動物病院に行けば、ケロっと治って、

その後は健康になる。

そう思われている飼い主様が一定数いらっしゃいます。

そして、病気が簡単に見つかると思っている人が一定数いらっしゃいます。

人間に例えれば、

どんな病気も治って、病気が簡単に見つかるなんてことは無いことは知っているのに、

ペットのことになると、なぜか獣医師は魔法使いになります。

 

検査もしないし、

治療もしないし、

薬も飲ませないけど、

治せ。

 

こんな事言われるんですよ、信じられます?

お金がないから検査しないけどすぐに病気を治せ、

こういうことを言う人は、

人間のお医者様にも同じようなことを言うんですかね?

 

それと、治せない病気はあります。

最近の話題としては、

安倍首相が辞意を表明しました。

長い間、本当にお疲れさまでした。

理由としては、持病の悪化だと言われています。

日本の首相が、最高の医療を受けても、完治はしないわけです。

そもそも、すべての病気が治るなら、

病気で死ぬ人はいないってことになりますからね。

治せなくても、薬によって症状をコントロールして、

生活の質を上げて付き合っていく必要がある病気は多くあります。

 

病気の発見も、段階を踏む必要があったりします。

特に動物の場合は自覚症状を話してくれないので、

ひとつひとつ除外して病気を探していく必要があったり、

簡単に検査を行えなかったり、

様々な要因があります。

残念ながら、

「少し我慢してくださいねー」

と言って胃カメラを飲ますわけにはいかないんです。

 

言い訳っぽく聞こえますよね。

でも、事実です。

この事実の誤認は、対立の原因になります。

本当に無駄な対立です。

だって、対立の原因が、言ってしまえば嘘なんですから。

どんな病気も治るわけではありません。

病気の発見に時間や手間がかかることが有る。

これは、間違いない事実です。

もちろん、どんな症例に対してもありとあらゆる検査を最初から行えるなら、もう少し病気は早く見つかるかもしれませんが、

飼い主様には多大なる費用負担と、

動物への負担が増えることになるでしょう。

どこまでが適正で、どこからは過剰なのかを判断することが、

人間と違って非常に難しいです。

お話を伺えれば良いんですけどね・・・

人間と同じように、

CTやMRIがそれほど問題なく行えるようになれば、

獣医師側もいろいろと思います。

獣医療も日進月歩で進化しています。

CTなどの高度医療も一般化しつつあります。

ただ、それだけ高度な医療は、維持、導入に莫大な費用がかかります。

どこもかしこもというわけにはいきません。

事実をただしく理解していただくことは、

無駄な対立、不信感をなくす第一歩だと思います。

 

あまりにも当たり前すぎるので説明を忘れてしまいますが、

 

治らない病気はあります。

 

見つけにくい病気はあります。

 

これは、言い訳ではなく、事実です。

知ってください。

お願いします。

無駄な対立は誰も幸せになりません。

 

たとえ治らない病気でも、

ペットの生活の質をあげるために獣医師は全力を尽くします。

病気の早期発見のためにも、

ちょっとした異常でも早めに動物病院を受診してください。

正しい理解の上で、かかりつけの獣医師と良い関係を築いてください。

それが、飼い主様にとっても、ペットにとっても、獣医料関係者にとっても幸せに繋がります。

よろしくお願いいたします。

 

年齢も治せないものの一つですね。

すべての生命にかならず訪れる最後の時まで、

できれば幸せに過ごして欲しい。

そんなヒントがたくさん乗っていて、

すごく勉強になりました。

よろしかったら読んでみてください。

 

ではまた!