私のような肥満の酒飲みが多分やっちまうであろう臓器、

肝臓

最近では肝臓と、胆道系(胆嚢と胆管)、膵臓はセットで考えることが多いです。

肝臓疾患で一番厄介な点は、

明確な症状が出たときにはすでにかなり進行していることが多い、

という点です。

沈黙の臓器と呼ばれる所以ですね。

 

目立ちやすいサインは

食欲不振

元気がない

よく寝る

痩せてきた

毛並みが悪くなった

気持ち悪そうにする

たくさん水を飲む

吐く

下痢

脱水

目や肌が黄色い気がする

などですかね・・・

お腹周りがぽっこりする(肝臓が腫れたり、腹水が溜まったり)、なんてのもあるかもですね。

発作とか震えが起きたりするかも、

こんなふうに、特異的、この病気はこういう症状が出る。という典型例があまりなく、

なんにでも視える。って症状が出ます。

一つの結論を先にいうと、

変だなと思ったら、

すぐにかかりつけの動物病院へ行きましょう!

変だな変だなー、おかしいなー、怖いなー・・・、ちょっと様子を見よう。

で、たっぷり熟成され、末期的な状況で発見。は避けるようにしましょう。

肝臓の病気は血液検査ですぐわかるってイメージすると思いますが、

レントゲンや超音波、機能を見るための特殊な検査などを組み合わせないとわからないことも多いです。

血液検査で肝臓の数値が高ければ、肝臓病である可能性が高くなりますが、

低くても絶対安心というわけではないのが肝臓の怖いところ。

もちろん健康診断などで用いる場合は、

日常の状態と合わせて判断するので、

検査精度をあげる努力はしています。

このあたりは正しい検査の読み方をじっくりと考える必要があるので、

やりがいがありますね。

 

獣医師が簡単に、

「大丈夫」

と言えないのは、多角的な視野を持たなければ危険だからです。

「大丈夫」と言わせたい飼い主

    VS

「大丈夫」とは簡単に言えない獣医師

こういう不毛なバトルは辞めましょうね。

とくに電話だけでこのバトルは有害です。

 

簡単に肝臓の話をしようと思ったんですが、

やはり病気は簡単に話すことが難しいですね。

動物全体をしっかりと考えて、肝臓という臓器の働きをちゃんと評価しないと、

見落としなどが落ちます。

肝臓病の症状を出していても、原因は心臓だったり、なんてことも珍しくないです。

しっかりと、動物全体を診る。というのは大事です。

あまり局所な細かい話をして、

わかった風になってしまうことは危険だなと思っています。

私のブログは内容が薄っぺらいのはそういう理由です。

ここまではわかってほしいけど、それ以上の判断はプロがしてほしい。

そういう気持ちでお話しています。

学問として学んでプロとして日々治療をしたり勉強をし続けても、

肝臓がわかっているなんて口が裂けても言えない。

それくらい複雑なことなんだということをご理解ください。

勉強すること自体はとても素晴らしいと思うので、

ご興味を持たれたら是非専門書などを利用して学んでみましょう!

ネットに乗っかっている上辺をなぞると、

怖い目に合うかもしれませんよ・・・

 

今回の結論。

おかしいなと思ったら、すぐにかかりつけの動物病院へ!

 

余談ですが、

聴講生って制度を知ってますか?

大学の講義を聴けるシステムなんですが、

これ、今の状態で獣医学科の講義を聞きたいなぁ・・・

とか思ってます。

暇はなかなか無いですけどね・・・

一応17年くらい院長として働いていますが、

それぐらいやっても、もう一度大学の講義を聞きたい、

と思うぐらいには深いんですよね、学問って・・・

 

さて、オンラインセミナー聞きまくります!!

 

ではまた!!