自分が思っていることを、誰かに伝える。

いろいろな方法があると思います。

私が今やっているブログ、

インターネット上で文字によって読んでくださる方に私の思いを伝えています。

日常で最もおおく行われている行動は、

言葉にして声に出して、相手に伝える。

会話という方法だと思います。

次に文字によって伝える方法ですかね?

身振り手振りだけで伝えるって人は少数派だと思います。

でも、

会話の時って、

言葉と声だけじゃないですよね、

表情だったりリアクションをとったり、

体全体を使って自分の気持ちを相手に伝えていると思います。

声だけだと、電話ですかね、

あとは流行り(終わってそうですが)clubhouseとかラジオですよね。

今は電話も簡単に映像付けられますからね、

伝えられる情報量としては、

 

文字<声<映像

となるはずです。

対面の会話だと、雰囲気のような言葉に表せないものも加わり、

やはり情報伝達においては最も優れているし、

同時に難しいものだと思っています。

 

我々獣医師は飼い主様にペットの状態をできる限り正確に伝えたいと思っています。

結果として「正しい」言葉で「正しい」状態を伝えることになります。

自分の持つ知識を総動員して、自分の考えをできる限り正確な言葉にして相手に説明します。

 

結果、何にも伝わりません。

自分の知識で話した言葉は、

自分と同等かそれ以上の知識を持つ者にしか理解できません。

獣医療という場において、

専門家として学問をおさめ、

それから専門性のある情報に触れて学び続ければ続けるほど、

一般の人との差は大きくなります。

いくら普通の人が勉強したところで、

大きな隔たりがあります。

専門性が高い分野において、

どんなに勉強した素人と、プロの差があるのは、

学問というものの奥深さを表しています。

だから私は、

素人である飼い主様に

専門家目線の説明をするのは無駄だと考えています。

専門家としての所見を、

どこまで素人目線に合わせてかみ砕けるか、

それを考え続けています。

馬鹿にしてると感じる人もいるかもしれませんが、

すこっしもそんなことは考えていません。

だって、

本来ならプロ同士の獣医師同士の話だって、

まったく折り合いがつかないことなんて珍しくありません。

学問って、

本当に奥が深いんです。

それを、

わずかな対面の時間で、

素人である飼い主様に、

プロ目線の知識を理解してもらおうと話すのって、

どんだけ自分に自信があるんだよって話なんです。

深い理解は、無理なんです。

素人の方が、現在起きている事象を、わかりやすく受け止められる言葉で説明すること、

それこそがプロである獣医師の仕事ではないか、

私はそう考えて、いろんなことをやっています。

 

すごく優秀な先生が、我々から聞けば本当にわかりやすく丁寧にお話ししたって、

それでさえ難しいんです。

獣医師って、ちょっとそういうとこに鈍感なとこがあります。

優秀な人であるほどその傾向が強いのかもしれません。

わからない人間の考え方って、言ってみれば出来が悪い人間の方がわかるんですよね。

だから僕は、素人な飼い主様にできる限りわかりやすく、

薄っぺらい情報を伝えよう。

そう思って、

ブログやYoutubeをやっています。

そして、

やればやるほど、

この難しい獣医療という世界を簡単に説明することの難しさを身に染みて理解しています。

わかっている風に短い思考の答えを与えることはできるかもしれませんが、

飼い主様とペットのために、最低限理解をしてほしいことをきちんと理解してもらって、

それでいて深みには突っ込まない。そんなバランスの伝え方を常に追い求めています。

 

強く断定してくれる先生は楽かもしれません、

でも、

時にそれは危険です。

素人でも必要十分な情報をできる限り理解しやすい言葉で伝え続ける。

私はそれを今後も続けていきたいと思っています。

 

今後とも、よろしくお願いいたします。

 

 

ではまた!!