我々は動物の外科手術も行います。
街かどのクリニックで、
まぁ、いろんな手術を行う獣医師が多いと思います。
腹腔内の臓器はほとんどの動物病院でいじりますし、
生殖器外科、つまり避妊手術や去勢手術は日常的に行われます。
我々獣医師が、軟部外科と言われる手術のうち腹腔内外科手術を結構普通に行えるのは、
日々の避妊手術、去勢手術が鍵だと思います。
切る、結ぶ、剥がす、縫う。
外科手術の基礎となる技術を日々行っているので、
その応用として多くの手術を可能にしているんだと思います。
皮膚の形成、眼科、耳鼻咽頭科、歯科あたりは普通の病院で普通に行いますよね。
人間だったら考えられないですよね。
クリニック行ったらそれだけ多科の手術をするなんて・・・
整形外科や胸腔内、脳神経系は専門性が高くなっていきますね。
都市部と地方でも事情が変わりますね。
都市部は専門性の高い病院や二次診療設備も多いので、
適材適所な面がありますが、
地方だとそういった施設が遠かったり、
様々な理由で、それこそ本当に全てを町の獣医さんが行うところが多いと思います。
尊敬しかありません。
凄いです。
私は、自分の病院よりも人数設備が多いほうがいいと判断したら、
きちんと提案して囲い込まないようにしています。
その判断を冷静に正確にできるように、
知らないことは出来る限り少ないように学んでいるといった感じです。
手術の話に戻しますが、
我々は動物、
多くは3~10キロくらいの生物の手術をします。
人間で言ったら乳児~小児のサイズを手術するんです。
生物としての構造は人間も動物も共通点が有るので、
そのサイズ感の仕事をしているイメージを持っていただけたら幸いです。
さて、避妊手術。
子宮卵巣全摘出手術。
人間だとざっくりどれくらいの費用がかかるかというと、
ざっと25万くらいだそうです。
3割負担で、です。
つまり、75万くらいの手術になるということです。
もちろん動物と人間は別です。
それでも、
開腹をして、主要臓器を取り出す手術は、人間であればそれくらいの値段感です。
たぶん成人のお話ですよね。
小児だったら、手術難易度ってどうなると思います?
一概にどっちとは言いにくいですが、
小型化することで、難易度が上がる面と下がる面があると思いますが、
難しいんじゃないかとイメージされるんじゃないかな?
実際には大型犬と小型犬だと、慣れているからなどで、小型犬のほうが楽に感じたりします。
話はそれましたが、
ネットを見ていると(見なきゃいいのに)
未だに避妊去勢手術の費用問題は闇が深い会話が広がっています。
保護動物の手術料金と比較して、
獣医師をぼったくり呼ばわりしたり。
避妊手術や去勢手術は、ほとんどの動物病院が、異常に安い値段で行っています。
理由としては、
避妊手術や去勢手術を行うことによって得られる多くのメリットを理解しているのと、
そこで大きな負担になってしまうと、
動物を飼育することへのハードルが高くなりすぎたり、
避妊手術・去勢手術を避けて飼育し、
いろいろな問題が生じて、
動物が苦しむことになるであろうことを理解しているので、
費用を特殊な形で安くしています。
いろいろな場所があると思いますが、
基本的に削るのは、
獣医師の技術料です。
乱暴な言い方すれば、自分の技術を安売りしています。
検査や麻酔、使用する薬物や道具などは、
動物の安全のために必要なものはしっかりと使っていきます。
では、どこで値を下げるかと言えば、
獣医師の知識や技術に対する費用です。
日本って、形のないものに対する報酬って軽く見られますよね。
仕事してる側も、
そういったことで費用をいただくことを遠慮するような風潮が・・・
ありましたよね。っていうほうが正しいかな。
だんだん正しい形に向かっているような気もします。
きちんと仕事をしたらきちんと対価をいただくことが当たり前になってきている。
文字にすると当たり前ですが、
結構ないがしろにされてきましたよね・・・
弁護士さんやお医者様、そして我々獣医師も、自分が身に着けた知識や技術に対価を頂いて仕事としているので、
できればもっと社会を広い目で見てもらいたいものです。
ボッタクリ獣医師なんて、超少数派ですから、
悪目立ちはしますけど、ほとんどの獣医師は動物と飼い主様のために日々頑張っています。
ぜひ、その基本をもう一度見つめて欲しいです。
相変わらずまとまりのないブログでした。
75万かぁ……
ではまた!!