影響力は言い換えると、

多くの人間を自分の意のままに行動変容を起こさせる能力だと思うんです。

影響力を持ちたいという願望は、

他人を自分の意のままに操りたいという気持ちを内包していると考えたほうがいいです。

そして、テレビや新聞というものは大きな影響力を持っています。

最近の若い人はテレビを見る時間がどんどん減っているようですが、

社会全体として考えると、

テレビや新聞を見る人間のほうが多い、

もしくは行動した時に社会へ影響を与える力が大きいのが現実です。

Youtubeのように選択的に情報を得るものと違って、

テレビは一方的に情報を相手に与えられる形となります。

過去の長い歴史によって作られた信用も、

様々な問題点を指摘されていても、

未だに非常に大きく、テレビで言うから間違っているはずがない。

という人も一定数以上、想像よりも多くの人がそういう考え方を持っていると思います。

 

最近、テレビで動物が出ると、

嫌な気持ちになることが多くなりました。

明らかに問題の有ることを、

さも正しいかのように放映していたり、

それぞれの個体に合わせた複雑な問題を、

まるでひとつの正解が有るような作りにして伝えたりすることが多いからです。

基本的に、治療はもちろんですが、

しつけなどを含めた生活へのアドバイスはオーダーメイドです。

指導する動物の種類、性格、家族構成、生活環境、様々な要因を含めて考えてお話します。

ある方法が、Aちゃんにはいい方法だけど、Bちゃんには良くない方法であることは珍しくありません。

同じ問題でも、アプローチの仕方が変わることもあります。

もちろん、学ぶときには、この病気にはこの方法で治療する。といったような学術的な答えはあります。

でも、そこに落とし込むためにどんなルートを進むのかは症例によって変化します。

そこに、影響力が強いテレビなどで、

まるで正解のように方法論が語られると、

視聴者はそれが唯一無二の絶対的な正解だと勘違いしてしまいます。

実際には、

そのテレビに出た動物にとっては良かった。

ただそれだけに過ぎないのにも関わらず、です。

これは、獣医師側も気をつけなければいけません。

本や講義で聞いた方法が、無選別で全ての動物に当てはめればいいとやると、

失敗します。

これは本当に注意しています。

世界の学会で言われていることでも、

国が違えばやり方は異なります。

アメリカのやり方を、そのまま日本に持ち込むことが必ずしも正解では無いことも有る。

著名な先生が言ったことが、必ずしも全てのことに当てはまるわけではないということは、

常に肝に銘じておかなければいけません。

仕組みを理解して、施す対象を理解して、自分の頭で考える。

どんなに面倒くさくても、このプロセスは絶対に忘れてはいけません。(自戒)

もちろん、ある程度のパターン、振り分けをしてやることは、

仕事の効率化においては大事です。

どんな症例にもじっくり考えすぎて数時間かけていたら、

仕事としても相手にかける負担を考えても、失格ですから。

自戒を込めた文章が長くなりましたので話をもとに戻します。

 

テレビや新聞、書籍に書かれていることが、

必ずしもすべての人に当てはまることはないということは持って帰っていただきたい情報です。

インターネットの情報は、さらにその傾向が強くなります。

そして、どんな媒体から出された情報でも、

中には間違っている、時には嘘や、何らかの意図を持って貴方に行動変容を起こさせるための罠が存在することがあります。

たとえテレビででも、です。

一つ例をあげると、

本日、2021年6月25日。

今日のワンコ、テレビの番組ですが、

明らかに問題がある行動が放映されました。

気持ちが良いほど晴れ渡った炎天下に、

黒色の被毛のわんこを散歩させていました。

これは、非常に危険です。

上部で様々な状況を鑑みて判断するべきと言った、

舌の根も乾かぬうちに、

十把一絡げに炎天下の散歩は駄目、と断じる私の浅はかさは置いておいて、

絶対に皆様はやらないでくださいね。

黒色の被毛の子は、太陽光による加熱効果が非常に高いです。

色素が濃い目の被毛も注意が必要ですが、

特に黒い子は細心の注意を払ってください。

被毛の色が薄ければ、

炎天下の散歩をしていいのか?

Twitterみたいなことは思わないでくださいね。

基本的に、

めっちゃ涼しい場合を除いて、

炎天下の散歩は、最悪犬が死にます。

その中で、濃い色の子は、さらにリスクが高いので注意してください。

熱中症、熱射病絶対に許さないマンなので、

しつこいほど言います。

ちょっと寒くても死にませんが、

暑いとあまりにも簡単に死にます。

そして、

一度致命的な状態になった動物は、

どんなことをしても助けられません。

 

ゆで卵を生卵には戻せません。

 

気をつけてください。

 

今回は、

情報とはどんなものか、

世の中、実は複雑で、簡単な答えは無いんですよ。

ってことをわかってもらえたら、

とっても嬉しいです。

 

ではまた!!