便がゆるくなってしまう。
動物と生活していて、最も出会う体調不良の一つかなと思います。
便がゆるくなるというのはそもそもどういう状態だと思いますか?
便に含まれる水分量が増えるから、
便はゆるくなってしまうのです。
更に水分量が増えると、水状になってしまいますね。
では、なぜ水分量が増えてしまうのでしょうか?
1.摂取する水分量が多すぎた。
2.水分を吸収する能力がしっかりと発揮できなかった。
3.腸内で水分が加えられるような事態が起きた。
このあたりが原因になってくるかなと思います。
3番目はかなりレアケースです。
腹水貯留とか、出血とか浸出液、漏出液なんかが考えられますが、
あんまり出会うことは無いと思います。
深刻なので他の症状も一緒に起きてしまいます。
黒色の泥状便とか腸液が多く出る状況は、
削痩とか元気消失、食欲廃絶など、
強い病気になってしまっていると思います。
一番目は、
食事の変化や、
イレギュラーな出来事、
例えばスイカを食べたとか生野菜を大量に食べたとか、
暑い中で水分摂取をしすぎている。
目に見えて原因がわかっていることが多いし、
水分量をコントロールすればそのうち治ってくると思います。
もちろん、水分を多くとってしまう原因も考える必要がある場合もあるので、
それはそれで注意が必要になります。
2番目の水分がきちんと腸で吸収されなかった。
というのが、日常的に出会う下痢の原因として、
最も多いと思います。
さらにそこから、水分が吸収されない理由を考えていきます。
1.腸自体の水分を吸収する能力が低下している。
2.腸が水分を吸収する時間が確保できていない。
3.便と腸の間に水分吸収を阻害する物が存在している。
こんなところだと思います。
わかりやすく細かな小難しいところを端折っているので、
少し乱暴になっているんですが、
これくらいで理解しておいてもらって、
あとはかかりつけの獣医師と一緒にそれぞれの問題と向き合うことが大事だと思いますので、
私はこんな感じでお話しています!
細菌、ウイルス、寄生虫、原虫などによって腸にダメージを負ってしまい、
水分吸収ができなくなる。
腫瘍などによって腸構造が破壊されて水分吸収ができなくなる。
過剰な腸の運動によって通過時間が極端に短くなって、
水分を吸う前に排出されてしまう。
脂やコーティングするような物質の存在によって水分吸収がうまくいかない。
基本的に下痢という現象は、
体内に存在する便が、
体にとって望ましくない状態である時に、
体外へと素早く排出させて、
腸内の環境を良好な状態へと戻して、
体を守ろうとする防御機構の意味合いも持っています。
下痢を何でもかんでも止めてしまうと、
逆に治癒が遅くなってしまうこともあります。
同時に下痢は、
本来なら吸収されるべき物質が、
適切に吸収できない状態とも言えます。
極端に水分を排出してしまうような下痢、
長期に渡って続いてしまうような下痢は、
止めなければ生体に悪影響を引き起こします。
人間もそうですが、
お腹が激しくキュルキュルいっているような状態は、
痛みを伴いストレスになることもあります。
腸が動きすぎて、
時に嘔吐にまでつながって、
一切の食事を取れなくなってしまう・・・
そんな状態までは待っていられません。
その前に原因を確かめて対処する必要があります。
今回は下痢が起こるメカニズムと、
下痢ってそもそもなんなん? っていう触りをお話しました。
次は、下痢が起きた時に行う検査とか治療について書きたいと思います。
続きをお待ち下さいね。
ではまた!!