前回の続きです!
うんちの調子が悪い時。
一番欲しい情報は・・・
うんちです!
できる限り新鮮な便を持っていくと、
獣医師は喜びます。
嘔吐してしまっているなら、
吐いたものを持っていきましょう。
獣医師が聴きたいことは、
うんちをするタイミングです。
食前なのか、食後なのか、食べてすぐ? 15分後? 30分後? 1時間後? 食事と食事の中間?
何回もする? 一回で大量に出る?
痛そうにする? 出ないのに何度も踏ん張る?
たくさんあります。
できる限り覚えていていただけるとありがたいです。
うんちに問題がある子を診察するとき、
最初はいつもと変わりません。
全体を眺めて触って聞いて、一通りの診察をします。
次に消化器を上から順に調べていきます。
視診、触診、聴診とやっていきます。
私は超音波が好きなので、そのまま腹部の超音波を行うことが多いです。
腸管の構造や動きを見るのに超音波はとても役立ってくれます。
動物への侵襲も殆どないのでとてもありがたい検査機器です。
診察のときにざっと全体を見るときと、
お預かりして臓器ごとにしっかりと見るのはまるで異なるので、
さっと見るときはさっと見るんだということで、
他院では預かられるとか個別の差はあります。
私は、さっと見ちゃいます。私は。
そして、丁寧に見る必要があれば、お預かりして見ます。
そんなこんなで、
もっと検査が必要だと判断したらレントゲンなどに移行します。
造影が必要なら人間でもおなじみのバリウムとかを使ったりします。
複合的な問題がありそうなら血液検査も使います。
珍しく特殊な病気の場合は抗原抗体検査などもする場合があります。
便の遺伝子検査なんかもできるところがありますからね、
症例一つ一つに合わせた検査計画、治療計画を立てていきます。
こればっかりは簡単に総論で話せることではないので、
動物の個体ごと、かかりつけの動物病院にしっかりと話し合ってください。
薬を出して様子を見る場合もあれば、
即入院して手術しなければいけない場合まで、
本当に千差万別です。
治療についても同様です。
原因があるなら、その原因をどうにかする薬、
時に抗生物質、駆虫薬、抗ウイルス剤など、
アレルギーであれば免疫を抑える薬、
炎症が強ければ消炎剤。
構造に異常が起きてしまい、内科で治療が難しい場合は手術。
本当にいろんな治療を組み合わせます。
治療後に腸内環境を整えるような補助治療を続けたほうがいいのか、
食事を根本から見直さなければいけないのか、
治療が終わればスッキリ治るのか、
考えなければいけないことはたくさんあります。
それらを総括的に考えて、
飼い主様が理解していたほうがいいことを説明して、
病気と戦う必要があります。
時には特別な設備のある大きな病院をご紹介することもあります。
最もよく出会う病気である下痢であっても、
その原因はよくあることじゃないことはあります。
しっかりと動物と向き合い、生活と向き合って、
最善な治療を飼い主様と一緒に探していくのが、
獣医師の仕事です。
個別の検査や治療の話なると、
抽象的な話に逃げて、
答えを与えないのは私の信念です。
安易な答えを与えて、
飼い主様や動物が不幸になるのは絶対に嫌なので。
かかりつけの動物病院で、きちっっと診てもらってください。
疑問があれば、セカンドオピニオンへどうぞ。
診てもいない症例の助言をインターネットに安易に求めてはいけません。
無責任に答える人間を信用しないでくださいね。
ではまた!!