12月になって、ぐっと寒くなってきました。
特に夜の冷え込み、早朝の冷え込みは体に響きますね。
最近は室内が快適な空間になっていることが多いです。
暖かな室内から、寒い屋外へ出る時、
つまりペットの散歩の時にどのようなことを気をつけたほうがいいかをお話します。
暖かな空間から寒い空間に移動すると何が起こるか、
動物は自らの体温を外気に奪われないように様々な生体防御機能を働かせます。
代表的なのが、体表の血管を細くして血液の流れる量を落とすことによって体温を保つという働きです。
肌に近い血管、末梢の血管と呼びますが、
ここを細くするということは血液の流れる場所の体積が急激に減ることに繋がります。
体表、皮膚というものは、体にとって非常に大きな臓器だからです。
流れている液体の量が同じなのに、
その液体を入れている箱が急に小さくなると何が起こるか・・・
圧が上がります。
つまり、高血圧になります。
そして、末梢の血管が細くなるということは、
全身に血液を送り出す心臓にとっては細い管を通して血液を全身に送らなければいけなくなりますので、
さらに大変になります。
これが、散歩に出る時の第一の負担です。
特に、環境が急激に変化をすると、
体の変化も急になります。
動物自体の保温、特に体の端っこの方、四肢端が過度に冷えると余計に血管の収縮が起きてしまうので、
工夫してあげることが大事になります。
ただ、なかなか保温の方向で工夫するのは難しいのが現実です。
首や太ももの内側などの大きな血管が体表を通るところを温めるなども、
一定の効果は在ると思いますが、
人間のように全身着込んで寒さ対策も難しいと思います。
せめて、急激な変化が起きないように、
暖かい室内から外へ行くときは、
温度の差を少なく、少しづつ慣れさせながら寒さにゆっくりと体を順応させてあげてください。
先程第一のと言いましたが、後ほど第二の負担が現れます・・・
その前に散歩中の注意点です。
人間と同じなんですけど、
特に冬場は準備運動が大事だと思います。
先程話したとおり、
末梢の血管は細くなっていますから、
散歩に出られた嬉しいテンションで、
外に出て急にダッシュ!!
とかすれば、
とんでもない負荷が心臓にかかってしまいます。
体を動かし、寒さに慣れ、ウォームアップが済んでから運動をしましょう。
難しいことを言っているのは100も承知ですけど、
気をつけてみてください。
最後に、第二の負担のお話です。
それは、外から家に帰った時に起こることです。
イメージとして、
寒い外から、温かい家に帰ってきたら、
もう、安心。
動物にとっても楽になるだろうって考えますよね。
ところが、
ここでも体の中で大きな変化を起こす可能性があります。
寒い環境下で末梢血管を締めて過ごしていた動物が、
急に温かい環境に放り込まれると、
最初と逆の反応が起きます。
締め上げた血管が、弛緩して、血管が拡張します。
結果として、低血圧状態になります。
心臓が弱い子だったり、高齢の動物だと急激な血圧変動で低血圧になった時に、
体が対応しきれずに問題を起こしてしまうかもしれません。
個々での対応方法も一緒で、
ゆっくりとした温度変化を心がけてあげることです。
早く温まりたい気持ちを抑えて、
緩やかに温度を変化させて、
ゆっくり体を変化させることで、
体調不良を防いであげてください。
蛇足かもしれませんが、
食事は散歩のあとに上げるのがいいのですが、
この低血圧状態で食事を与えるのは、
可能性として食後低血圧をよりひどく起こす可能性があります。
(食後低血圧:食事をとったことにより体内の血流が消化器官に集中することによって、それ以外の場所で血液が減少することによって引き起こされる病態)
散歩から帰ってきて、
少し落ち着いた後に食事をあげたほうが、
体には優しいかもしれませんね。
人間も動物も、
寒暖差は穏やかにしてあげることで
健康が守られます。
お風呂場でのヒートショックも冬場は問題になります。
同様に動物も気をつけてあげてくださいね。
ではまた!!