この間Twitterでアンケートを取らせていただきました。

なんと1万近い回答をしていただけました。

本当にありがとうございます。

私のアカウントからの質問なのでバイアスが多少あるとは思いますが、

関節炎を起こすことを知らなかった方が21.3%

遺伝性を知らなかった方が32.7%

いらっしゃいました。

37%、2500名近い人にその事実を知っていただけたのなら、

非常に有意義なアンケートになったと思っております。

重ねてご協力に感謝いたします。

 

この写真のように、

可愛らしい見た目の折れ耳のスコティッシュフォールドさんには、

残念なことにスコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症(SFOCD)という疾患があります。

折れ耳の子は、重症度の差はあれど100%発症すると言われています。

症状は四肢や尾の変形、骨瘤を伴う痛みです。

手首、足首の関節部分がゴツゴツとして痛みを訴えます。

根本的な治療方法はなく、痛み止めによる治療か放射線治療が有効とされています。

スコティッシュとマンチカン、スコティッシュとアメリカンカールのMIXにおいても発症が報告されています。

スコ座りとか呼ばれているこの座り方も、

実は四肢が痛いためにこの体勢をとっていると言われています。

手足がずっと痛い、

これは非常に辛いことですよね。

爪切りが嫌いだったり、

怒りやすかったり、

それらの原因がもしかしたらこの病気のせいかもしれないとも言われています。

この遺伝病は残念ながら人間が作り出し続けているという側面もあります。

可愛いからという理由で折れ耳のスコテッィッシュフォールドを生み出し続けることは

100%痛みを抱えながら生きていかなければいけない動物を生み出しているということになります。

悲しいことです。

また、近年の純血種同士の雑種を作る流れは、

こういった遺伝性の問題を他血統に広げて、

新たな問題を生み出すことが懸念されています。

ブリーディングとは血統に対する深い理解と

その血統を繋ぎ、改良していくことだと自分は理解しています。

他血統との雑種を生み出すのなら、それはブリーディングとは呼ばないと思います。

可愛いから、売れるからそういったことを行うのであれば、

それはブリーダーではなく繁殖屋とでも呼ぶべき行為です。

需要があるから供給するんだ、とおっしゃるかもしれませんが、

ブリーダーとしての矜持は動物の幸せを根っこに置くべきではないでしょうか?

 

翻って、そういった遺伝的背景、疾患的背景を顧みずに、

かわいい、を無邪気に求める消費者にも是非学んでいただきたいです。

何も知らずにペットを飼って、痛みに苦しみ続けるペットを見続ける。

そんな不幸は無いと思います。

多くの方に、一度、遺伝性疾患や、

そもそものブリードというものは何なのかということを考える切っ掛けになってくれたら、

嬉しいです。

動物には罪はありません。

私は、それを繰り返し申しております。

動物には、なんの罪もないのです。

劣悪な環境で繁殖を行うパピーミル、繁殖工場。

せっかく法改正しても、最低限の条件さえもクリアしようとせずに

次から次へと繁殖犬を増やすために犬を廃棄し続ける繁殖屋、

そしてそういったところから保護犬という名札をつけることで

商品を仕入れて、悪徳ブリーダーの下請けのようになっている似非愛護団体。

この世界は、あまりにも闇が深いです。

私は、今すぐ全てのペットショップを0にしろだとか、

繁殖を止めろとかそういう事は言いません。

繰り返しますが、

動物には罪はないんですから、

ただ、

常識を疑うような劣悪な繁殖工場や、悪徳ブリーダー、

そういうところから安いという理由だけで生体を仕入れる悪徳なペットショップが

少しづつ減っていってくれたら良いなと思っています。

 

動物の数が減ったら獣医は困るだろ?

お前らも片棒を担いでるんだろ?

 

そういうことを言う人が居ますが、

ああ、痛いとこ突かれてるんだな・・・って思って見ています。

もう一度言いますが、

動物には罪はないから

動物病院は動物を救っているんです。

動物の数が減れば、

自然と動物病院も減っていきます。

それで良いんですよ。

酷い目にあう動物が減るのなら。

自分たちの仕事を維持するために、

劣悪繁殖工場を残した方がいいなんて言う獣医師は、

多分居ないと思いますよ。

どうせ日本は人口が減ってあらゆる経済活動が縮小することは決定されているのに、

何を今更そんな事を言っているのか? と哀れに思うぐらいで、

ノーダメージです。

乱暴な言葉づかいは怖いからやめてくださいね。

自分は粗野な人間ですと自己紹介しているようなものですからね。

 

まずは知らなかったことを知って欲しいです。

そして考える切っ掛けになってくれたら、

私の本懐であります。

 

ではまた!!