前回のうんちが柔らかい、
に引き続き今回は吐きについて書かせていただきます。
ワンちゃんと猫ちゃんで少し変わりますので、
まずは共通する話をして、
その後、
ワンちゃん猫ちゃんについて書いていきます。
吐き、辛いですよね。
お酒の飲み過ぎや体調不良時に、
ぐわっと上がってくる気持ち悪さ、
吐いている時もまぁ、辛い。
可愛そうです。
口から食べたものや胃の内容物が戻ってきてしまう。
それが吐きなんですが、
食べた瞬間に、もしくは直後にぶわっと吐いちゃう。
これは突出。とっしゅつ。
反射的に食べたものを吐いてしまう。
もう一つが、食べてからしばらくしてから、
もしくは食事と関係のないタイミングで吐いてしまう。
これが、嘔吐です。
詳しくは良いんですが、
獣医師が病気の想像をするときに有益なので、
覚えていただいて教えていただけると嬉しいです。
吐くという行為の原因としては、
消化管の物理的な閉塞。詰まっちゃう。
特に消化管内異物は、
飼い主様の情報が頼りになることが多いので、
日常ペットが口にしてしまう状態に飲み込めるものを置いておかない、
想像もしないものを飲み込みますから。
以前Twitterでバズったものなんて、
本来はペットが遊ぶためのおもちゃですからね・・・
タオル、靴下、ペットボトルの蓋、布からぴょろんとノビた糸、etc.
飲み込んでから後悔するなら、
お部屋を綺麗に整えましょう。
ちょっと話がそれたので戻しますね。
炎症とかがあって、食べ物とかで刺激を受けて吐いちゃう。
こういった消化器官が原因の場合がまず1つ。
腎不全、腎機能低下、尿路閉塞など、腎臓の機能が関わる吐き。
肝不全、肝機能不全、肝臓機能が低下して起こる吐き。
膵炎、
脳炎などを含めた神経的な異常、
三半規管など平衡感覚失調によるめまいなどから起こる吐き、
ホルモン異常などからくる異常、
メインとなる病気が存在して、
そこから二次的に吐く病態に分かれます。
ちょっとむずかしいので、さらっと流しましょう。
ここを考えるのはプロである獣医師の仕事です。
胃腸が悪くて吐くときと、
内蔵とかが悪くて吐く時が有る。
くらいの理解でOKです。
猫さんだと、毛玉による吐きとよく出会います。
グルーミング、自分の体を舐めて整える時に、
抜け毛を大量に飲み込み、体内で毛玉を作ったり、
吐きの原因になってしまうのです。
元気も食欲も安定しているのに、
週に一回か、それ以下の頻度で吐く。
毛玉が出る時もありますが、
食事がそのまま出る時も、
胃液のような液体、
白い泡のような物が出る、
色んなパターンがありますが、
この吐きは、そこまでの心配はいりません。
もちろん、毛玉のケアなどをして、
吐きの頻度を下げてあげたほうが楽になるので、
そういったケアはやったほうが良いとは思っています。
吐いたことによる食道や胃への刺激で、
つぎの吐きを呼び起こすことになって、
何度も吐いてしまったりするといい影響は与えません。
例外的な毛玉による吐きを除けば、
便がゆるい時よりも、吐いている方が深刻な問題がある場合が多いです。
自分自身、人間でも理解できると思います。
お腹は時々ゆるくなりますが、
そんなに吐かないですよね?
吐く時は明確な理由が思い当たったりすると思います。
飲み過ぎとか食べ過ぎとか、
吐いた時は、基本的にはかかりつけの動物病院へ相談したほうが良いと思っています。
ちょっとした体調不良でおえっと吐いてしまうときから、
何かを飲み込んでしまった消化管内異物、
腫瘍によって詰まってしまっている場合、
何らかの原因で消化管の運動が止まってしまうイレウス、
それと内臓疾患と絡む重篤な病気のサインである吐き。
しっかりと調べてもらって、きっちり見てもらうことが大事です。
内臓からっぽいなと思うのは、
経過が長かったり、
食欲も落ちていたり、
体重が減少していたり、
発見が遅くなればなるほど治療に時間がかかったり、
手遅れになってしまったりします。
早期発見早期治療、
一番はじめは対症療法で一度様子を見るかもしれませんが、
それに反応しない時は中途半端に診ずに、
ばしっと幅広く見ていくことが大事だと思っています。
私は吐きは2日続いたら見せるべき、
一日に3回以上連続してはくようなら見せるべきと思っています。
何より吐きは辛いので、
軽い症状でもスッキリさせたり、
楽にしてもらう治療を受けたいと、
自分だったら思います。
吐きは、あまり様子を見ないでください。
お願いします。
ではまた!