予防医学、動物病院だとよく言われるのはフィラリア予防、ノミダニ予防、混合ワクチンによる予防、狂犬病予防。
最後の狂犬病予防は病気の予防的なお話というよりは、狂犬病予防法という法律によって定められている人のための公衆衛生的な意味合いが大きいので、義務ですのでやりましょう。罰則もあります。
フィラリア予防は以前ブログでも書かせていただきました。
ノミダニ予防に関してはSFTSについてで書かせていただきましたね。
混合ワクチンについてはまだ記事を作っていませんが、ここでお話するのではなく、また別の記事で詳しくお話しようと思います。おまちください。
動物病院で予防というと、これらが上がることが多いと思いますし、飼い主様もそうお考えになっている方がほとんどだと思います。
タイトルで『予防医学、その先へ』なんてかっこつけて偉そうなタイトルにしたのはこれから先の社会の変化に、動物医療業界がこのままで良いのだろうか？ と疑問に思ったからです。
この予防たちは、もうそれこそ何十年と行われてきています。
この世に存在する昆虫の中でもっとも人間を殺している『蚊』からうつされ、静かに進行して突然命に関わる症状を出すフィラリア。
薬剤に対する耐性を獲得して手を変え品を変え戦ってきているノミ。
最近は動物診療に携わる人間までも致死性の疾患を運んでくるダニ。
感染力が高く、病気の種類によっては非常に重い症状を出すことがある病気を予防する混合ワクチン。
発症すれば致死率はほぼ100％、哺乳類ならどんな動物でも感染して、未だに世界中で毎年5万人以上の人間の命を奪っている狂犬病。
もちろんこれらの予防は絶対に必要です。
しかし、人間の寿命が100年時代になるという令和の時代、ペットの寿命も確実に伸びています。
医療技術の発達、ペットに対する意識の向上、ペットフードなどのペットを取り巻く環境の改善など、様々な要因があると思います。
そんな長寿な社会で、過去と同じことをやっていていいのだろうか？ もっと動物病院はペットと飼い主のために出来ることは無いだろうか？
そう考えていました。
Team HOPE を始めとするペットの病気を早期発見早期治療するという理念は本当に素晴らしいと思いますし、今後もお手伝いをしていきたいと思っております。
しかし、思ったのです。結局病院へ来ないと病気を見つけてあげられないなぁ・・・もっと、もっと早く気がつくなにか・・・
そんな事を思っている時に、いろんな方からの助言を得ながら自分の中で出来上がった案が生まれました。
「そうか、ほんとうのペットのかかりつけ医は我々ではないんだ！」
何を言っているのか？ と、思われる方もいるので説明します。
ペットの健康を最も早く知ることが出来て気がつくことが出来るのは飼い主様だ、飼い主様にペットのかかりつけ医になってもらえればもっと早く動物の病気や変化に気がつくことが出来るし、早い段階から病気に対する治療のお手伝いを出来る！ 病気にさせないペットとの生活を作れる！ そう、思ったのです。
もちろん、すべての病気が何らかの原因があって起こっているわけではないですし、どうやっても防げないものもあります。
それでも、少しでも今までよりも早く病気の発見や治療ができれば幸せなペットが増える。だったら、やらない手は無いだろう！ そう、燃えてしまったのです。
とりあえず、今考えているのはペットの写真を撮りましょう。です。
いや、撮ってますから、何ならスマホのアルバムペットと食事の写真ばっかりだから、という私と同じ様な人も多いでしょう。
私がお勧めしたいのは、同姿勢、同位置、同方向からの写真の蓄積です。
ペットさんを同じ角度で同じ位置で撮っていると、毎日に少しづつ変化されると気が付かない顔つきの変化や体型の変化、姿勢の変化に気がつけるのではないかと考えたのです。
これ、話し方ブログの方でやっている笑顔の自撮りから着想を得ています。
自分では気が付かないのですが、笑い方一つでも毎日写真に収めていると、ちゃんと変わってるんですよね。
写真にして並べると、あれ？ 少し腰が落ちてきている？ お腹が垂れ下がっている？ 前傾姿勢になっている？ とかが分かるようになるはずです。
表情も、前よりうつむいている？ 眼が白い？ 白髪が増えた？ 毛量が減っている？
気がつけることは多いと思います。
もちろん毎日じゃなくても週に一度可愛い我が子を写真をとるでもいいです。
同じ姿勢を同じ角度で同じ部位を撮る。
とくにお金もかかりませんし、やってみてはいかがでしょう？
この様なペットの最も近いかかりつけは飼い主様である。というコンセプトで病気にさせないペットとの生活に役立つ情報をどんどんと撒き散らかして、ぜひ皆さんに勉強していただき、病気にさせないペットとの生活をお手伝いできればいいなと思います。
それでも防げない疾病は、もしくは病気とわかったときの治療は是非、動物病院に安心して任せてもらえるよう、今後ともより一層頑張って勉強、努力してまいります！
そのうちYoutubeとかで具体的なお話とかを動画で皆様に教えたり出来たら素敵だなと思っています！
どうぞよろしくおねがいします！！
